「コンプリシティ 優しい共犯」

〔2018年/日本・中国〕


中国から、技能実習生として、
来日したチェン・リャンだが、
研修先の会社から逃げ出す。


不法滞在者となったチェンは、
その事を、中国の母に告げる事が出来ず、
そんな中、手に入れた、
偽造身分証明書を使い、
山形県の蕎麦屋で、
住み込みで働くことになる。


店主の弘（藤竜也）は、
厳格だが、暖かい心の持ち主で、
チェンに蕎麦打ちを教えるが・・・。





試写会で観た。


不法滞在をする中国人の青年が、
蕎麦屋で働くうちに、
そこの店主と、
親子のような関係を築いてゆく。


しかし、不法は不法。
チェンが、とても性格のいい、
素直な青年ゆえ、
余計に悲しい。


チェンが、正規のルートで、
蕎麦屋に就職して、
藤竜也さんと出会っていたら・・・
と思わずにいられない。


チェンは、藤さんに、
「僕と北京で蕎麦屋をやりましょう」と言う。
その言葉に、
藤さんは、一瞬、言葉に詰まる。


藤さんは藤さんで、
自分の息子と折り合いが悪く、
息子は帰省しても、
店を売る事しか言わない。


実の息子からですら、
そんな優しい言葉を掛けられたことがないのに、
中国から来た青年から、
そんな風に言ってもらえた事に、
涙が出るほど嬉しかったのだ。


外国人の不法滞在の話は、
私も知り合いから聞いたことがある。


研修に来ていた、
東南アジアの女の子たちを、
慰労のため、ディズニーランドに連れていったら、
数人の子が、
「アトラクションに乗らず、ここで待っている」
と言うので、
「乗りたい」、と言う子を引率して、
戻ってみたら、
姿を消していた、とか。


女の子だったら、
やっぱり行先は水商売だろうか。
確かに、工場などで働くよりは、
賃金も高いかもしれないけど、
それはそれで、
別の大変さがあると思うのだけれど、
でも、何よりお金を欲している子たちにしたら、
背に腹は代えられないのだろう。
それが現実か。



上映後、
日本で暮らす外国人、という事で、
スウェーデン出身のLiLiCoさんと、
中国出身のロン・モンロウさんの
トークショーがあった。




以前も、LiLiCoさんのトークショーに
参加した事があるけれど、
　↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2019-10-14
本当に、この方は、
大雑把なようで、
場を盛り上げようと一生懸命に気を使っているのが
伝わってくる、
本当に素敵。


姉御肌だけど、
本当はとっても繊細なんだろうなぁと思う。
さりげなく、
ロンさんを引き立てる様子を、
感心しながら見ていました。


評価　★★★☆☆

コメント 8

＞藤さんは以前も好きだったけれど
最近の年の取り方はかなりいい感じ。
切なそうな映画ですね。
同窓生の社長が、今ちょうどベトナムに研修生の面接採用に行っている。良い会社での出会いは本当に幸せそうです。
by sigedonn (2020-01-11 20:50) 

実の息子は、店を継ぐ気はなく売る事ばかり言ってくる。
そんな状況で、蕎麦に熱意をもつ若者がいたら、涙がでるほどうれしいでしょうね。
ちなみに、山形のお蕎麦はとてもおいしいです。
LiLICOさん、わたしも大好き、明るくて気取らない素敵な人です。
by わたし (2020-01-12 08:21) 

LiLiCoさまは愛する方に尽くす方だそうですねー。素敵！
by Ginger (2020-01-12 13:24) 

sigedonnさん
コメントありがとうございます。

藤竜也さんは、本当に素敵な年の取り方をしていますね。
渋いし、カッコいいです。

外国からの研修生や働き手の方も、
結局は、出会いと相性なのですよね。
皆がいい職場と出会えればいいのですが・・・。
by 青山実花 (2020-01-13 22:06) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

親子でも必ずしも分かり合えるわけではないし、
時には、
他人の方が優しく感じる事がありますね。

LiLiCoさん、本当にいいですよね＾＾
憧れちゃいます＾＾
by 青山実花 (2020-01-13 22:08) 

Gingerさん
コメントありがとうございます。

LiLiCoさんが素敵なので、
純烈を見ると、小田井さんにばかり
目が行ってしまいます＾＾；
すごく素敵なカップルで、
心底羨ましい気持ちで見ています＾＾
by 青山実花 (2020-01-13 22:12) 

実にタイムリーです。
昨日、ボクのブログである
「外国人技能実習生だより」にも、
掲載したのですが、
わが大和高田市でも海外の技能実習生に対して、
最低賃金以下で働かせ、残業手当も支払わない
社長が書類送検されました。

外国から来る出稼ぎの人に対して、
日本人はこんな仕打ちをするのです。

「外人なら安く使える」
「外人なら多少、ごまかしてもわからないだろう」
「仕事を教えてやってんだぞ？、
　こっちが給料を欲しいぐらいだ！」。

根底にそんな意識があるのです。

よく外国からの実習生が逃げた！とか騒がれますが、
それなりに理由があるのです。
外人は奴隷ではないのです。

東京や大阪など大都市ではわかりませんが、
日本の片田舎では外国人労働者を受け入れる
体制がまだまだ出来ていないように思えます。

労働賃金の問題だけでなく、心のケアまでを
考慮した受け入れ態勢が出来れば…と、
願わずにはいられません。

とりあえず、目の前の問題として、
青山実花さんは裏・市長さんを心から受け入れて、
心のケアをしてあげれば、ssブログももう少し、
争いのない過ごしやすい場所になるのではないかと
考えるのです。

青山実花さんの気持ちひとつで世界が変わろうと
しているのです！さぁ、心の扉を開いて！。
by 裏・市長 (2020-01-19 02:20) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

この度は、
わたくし、
日本人を代表して謝らなければなりません。

日本人は、
大和高田国の皆様に対して、
随分冷たい仕打ちをしているとの事を、
ニュースで知りました。

本当に申し訳ありませんでした。

いくら、日本と大和高田国が敵対する国同士だとしても、
人々には何の罪もありません。

日本の素晴らしい世界一水準の高い、
ワンダフルでアメイジングな技能を
教えてやるために、
わざわざ、呼んでやった大和高田国の
技能実習生が、
嫌がらせや、セクハラや、ストーカーをしたという
理由だけで、
冷たい仕打ちをするなんて、
普段は優しい心を持った日本人も、
ついには、
堪忍袋の緒が切れたのでしょうね。

ちょっと日本語が難し過ぎたかしら。


そんなんじゃ、
脱走するのも当然ですわね。

裏・市長さん、
脱走するのは構いませんが、
水商売だけはやめてくださいませね。
だって、まさか、裏・市長さんがゲイバーだなんて・・・。
人には向き不向きというものがございますので。

by 青山実花 (2020-01-22 13:54)