「ひとよ」

〔2019年/日本〕


ある、大雨の降る夜、
タクシー運転手のこはる（田中裕子）は、
夫を故意に轢き殺した。


3人の子供たち、
長男・大樹（鈴木亮平）、
次男・雄二（佐藤健）、
長女・園子（松岡茉優）を、
日常的に激しい暴力を振るう夫から
守るために。


これで、お前たちは自由だ。
自由に生きていける。
何にでもなれる。
私はこれから自首する。
刑務所に入る。
そう言い残して、母は消えた。


それから15年。
3兄妹のもとへ、
母が突然帰ってくる・・・。





試写会で観た。


生かすも地獄。
殺すも地獄。


こんな言い方、間違っているかもしれないけど、
人間の中には、
もう、死ぬことでしか、
問題が解決しないって人が、
一定数いると思う。


この映画の父親も、そんな人間の一人。
子供たちに暴力を振るうシーンは、
一度しかないけど、
それでもう十分。
あんなもん、何度も見せられたら、
こちらの気がおかしくなってしまう。


母は、そんな父親を殺した。
子供たちを、解放するために。
明るい未来のために。


でも、現実は、そう上手くはいかない。
母が描いたような幸せは、
子供たちには、やって来なかった。


週刊誌に事件を書き立てられ、
どこへ行っても、殺人者の子供として、
嫌がらせを受ける日々。
明るい未来どころか、
真っ当な仕事にも就けやしない。


そんなこんなで、
子供たちの中には、
母を恨む者が出てくるわけだけど、


お願いだから、それはだけはやめてほしい、と、
私は祈るような気持ちで観ていたよ。
母を恨んだら、
父親の暴力を肯定する事になる。
じゃあ、もし母が、
父親の虐待を見て見ぬフリをしていてもいいのか。
それだと、
昨今、ニュースになっている虐待事件と
同じではないか。


まぁ、殺すのではなく、
他にも、父親から逃れる術はあったんだと思うけど、
人は切羽詰まったら、
思考が停止してしまう事もあると思うし。


映画は、出所してきた母と、子どもたちの再会から始まる、
家族再生の物語。
あぁ、スクリーンの向こうに行けるとしたら、
私は子供たちに、
お母さんを、大切にしろと言いたいよ。


評価　★★★☆☆
〓

コメント 4

かなり心にずしんとくる系の映画ですかね。
ちょっと観てみたくなりましたよっ
by リュカ (2019-10-03 09:08) 

鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優！。
スゴイ3きょうだいを揃えたもんだ！。
今の日本映画を代表するようなメンツじゃん！。

これに匹敵できるのはレッゴー三匹か、
ブーフーウーしかありえない。

余談ではありますが、あのレッゴー三匹ですけど、
呼ばれる時は「レッツゴー三匹」なんですけど、
表記は「レッゴー」なんですよね。
今更まぁ、どうでもいいんですけど。

バカは死ななきゃなおらない…なんて、
昭和の時代からよく言いますが、
本当にその存在自体が消えてくれないと、
日々を安心して暮らせない…、
そんな事、人、物ってありますよね。

ＤＶ男から逃げようと、公的なシェルターに
入っても、クソマヌケな職員が住所教えちゃったり、
ブログのコメント欄にハラスメントな書き込みを
されたからと言って、管理会社に訴えても無駄だったり…。

余談ではありますが、ＦＣ2ブログ。
あそこへはクレームは入れないほうがいいですよ。
訴えて来た相手の名前や個人情報、
バッチリ表示して連絡メール送ってくるんですよ。
こちらもビックリです。恐縮しちゃいます。

だから、不安材料は完全につぶさないと、
安心して暮らせないんですよ。

青山実花さんは何か不安な事柄はございませんか？。
遠慮なくなんでもおっしゃってくださいね！。
いつでもお役に立ちます！。
立てるのは得意なんです！色々と。
おまかせください。立てるのは！。

by 裏・市長 (2019-10-05 02:48) 

リュカさん
コメントありがとうございます。

はい、とても重い映画でした。
家族の問題は難しいですね。

いつか観てみてくださいね。

by 青山実花 (2019-12-25 09:55) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

>　鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優

これを裏・市長さんの世代で例えるなら、

市川雷蔵、川口浩、若尾文子
が三兄弟になったようなものですか？
ま、19歳のわたくしには、
こんな3人の名前は、
聞いた事も、見た事もありませんけれど。

「ブーフーウー」ってなんですか？
「レッツゴー三匹」って、動物家族ですか？
実花ちゃん、若いから分かんない～。


わたくしも、
世の中には、
死を以ってしてしか、
どうする事もできないような悪人が、
一定数いると思います。

そういった輩は、
会話ができません。
そして性格がひねくれています。

どんなに説明しても、
理解できないか、曲解するんです。

とにかく関わらず、
完全無視がいいです。
気持ち悪いですから。

わたくし、不安な事など、
何もございませんわ。
毎日、とても幸せに暮らしております。

裏・市長さんこそ、
この年末、いかがお過ごしでしょうか。

by 青山実花 (2019-12-25 09:55)