「シングルマン」

〔2009年/アメリカ〕


大学教授のジョージ（コリン・ファース）は、
ここ8カ月、毎朝を暗い気持ちで迎えていた。
16年もの間、深く愛し合ってきたパートナー・ジムを
交通事故で失ったのだ。


彼のいない人生など、
光を失ったも同じ。
ジョージは、その朝、
自らの手で人生を終わらせる事を決意する。


身の回りを整え、
大学で最後の授業をし、
銀行の貸金庫の中身を出し、
拳銃の弾を買い、込める。


そんな中、
かつて関係した事があり、
現在では親友のチャーリー（ジュリアン・ムーア）から
電話が入る。
彼女の家を訪れ、
ひとときを楽しむジョージ。


さらに、今日の大学の授業を熱心に聞いていた
生徒・ケニー（ニコラス・ホルト）が現れ・・・。





自分が深く深く愛した相手が突然亡くなり、
その喪失感から立ち直れず、
自死を決意した男の一日を描く物語。


心の状態は、
朝起きた時が一番如実に現れやすいと聞いた事がある。
その説が正しいかどうかは分からないけど、
私も悩みがあると、
朝の心が一番暗くて、
夕方から夜になると、
比較的楽になる事を思い出すので、
ジョージが朝、自死を決意したのも、
有り得ない話ではないと、そんな気がする。


死について、
軽々しく書くものではないと言われる向きもあろうが、
こういった映画を観ると、
考えずにはいられない。


自分の死については、それほど感じるものはないのに、
自分が大切だと思う全ての人と、
いつか死という形で別れがきたら、
その時、自分は耐えられるのかと想像すると、
怖ろしくてならない・・・。
ああ、もうやめよう・・・。


「ロスで大学教授をするイギリス人」、
という役が、
コリン・ファースにハマりすぎ。
この映画のようなシリアスな演技の時はもちろんの事、
コメディ映画の時も、
彼はどこかシニカルで、
典型的なイギリス人、という感じがする。
・・・って、イギリス人と知っているのでそんな気がするだけかもしれないけど。


死をテーマにしているけれど、
映像はスタイリッシュ。
なにせ、監督は、
世界的デザイナーのトム・フォード。
念願の映画監督デビューなのだそうだ。


評価　★★★☆☆

コメント 6

重い映画ですね。
by ヤマカゼ (2019-09-21 17:27) 

昨日は、鶴見線の駅探訪をして来ました。
しかし、鶴見線はローカル色満載って感じでした（ﾟ□ﾟ）
線路上は草ぼうぼうだし、駅の屋根は木造だしねw
大昔に、茶色い電車が走ってたんだけど、その頃と全く変わってませんでした（ﾟ□ﾟ）
by 英ちゃん (2019-09-22 02:35) 

そうか！そうだったのか！。
どうも朝の通勤、通学の時間帯に
飛び込み自殺が多いと思ってたんだよ！。

やはり朝が一番危険な時間帯なんだ。
これからまた一日がはじまる。
昨日のつづきが…。
そう思うとたまらなくなるんだろう。

よい方法を思いつきました。

朝が来なければいいのです。

オレって天才。

そういえば、精神病棟なども重篤な収容者の
部屋は窓も締め切られて、
時間すらわからないようになってるな。
あれは時間の感覚を奪ってるのだろうか。

ボクからも奪ってほしい感情があるのです。
青山実花さんならそれが出来ると思います。

その感情は常にボクにつきまとって来るのです。
抑えることにボクは必死です。

その感情が高まるとムクムクと膨らんでくるのです。
もうそうなると自分でも抑えきれません。
走り出します。…オーブンの前に。

そう、毎朝、焼きたてのパンが食べたくて食べたくて。
でも、焼くのが面倒くさくて面倒くさくて…。

青山実花さんが代わりにパンを焼いて運んでくだされば、
すべて丸く収まるんだがなぁ…。

そうそう、ボクはベックリしたんですが、
皇室の朝食はなにか手違いがあり、
時間に遅れてはいけないので、毎朝2つのルートで
運ぶんですってね。

もちろんその「手違い」は毎朝起きるはずもなく、
ちゃんと同時刻に2回分の朝食が届けられる…。

by 裏・市長 (2019-09-26 02:01) 

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

死をテーマにすると、
どうしても重くなってしまいますよね。

by 青山実花 (2019-09-29 17:32) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

鶴見線というと、
横浜を走っていると、勝手に思っていたので、
ローカル色満載とは意外でした。
鉄道って奥が深いですね＾＾

by 青山実花 (2019-09-29 17:32) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

そうなんです、
朝や、明け方に
自殺者が多いのは、本当らしいです。

例えば、藤圭子さんが亡くなったのも、
早朝だったようですね。

眠りという、時間旅行から目が覚めても、
人生が昨日と同じでしかなかったという、
絶望感が、
人を死に向かわせるのかもしれません。


なんですって？
焼き立てパンが食べたいのに、
焼くのが面倒ですって？

で、わたくしにどうしろと？
まさか、奈良までパンを焼きに来いと
暗に仰っているわけではありませんわよね？

なぜ、わたくしが、裏・市長さんに
そこまで奉仕せねばならないのですか？
お金あげるから、
コンビニ弁当でも買ってきなさいよ。


皇室のお食事係の人は、
それはそれは大変だと聞いております。

なんでも、朝10時に、
一人だけのこのこ起きてくる方がおられるそうで、
厨房が全く片付かないと、
係の方は、不満でいっぱいなのだとか。

どうやら、仮面夫婦なので、
相手と顔を合わせる事を、
極力、避けているとか。

まぁ、致し方ない面もありましょうかしら。
あれだけ無理矢理連れてこられたのですから・・・。
by 青山実花 (2019-09-29 17:33)