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「博徒七人」 [映画]

bakutoshichinin.jpg
〔1966年/日本〕


片目の極道・柏木半次郎(鶴田浩二)は、
遊郭で寝ているところを、
2人組の男に狙われるが、
綺麗に片付ける。


それを見ていた、
片腕のやくざ・鉄砲松(藤山寛美)は、
半次郎の腕に惚れこみ、
兄弟分の盃を交わそうと申し出る。


一方、片足の坊主・一貫(山本麟一)は、
無銭飲食で吊るしあげられているところを、
めくらの按摩・勝(待田京介)に助けられる。


半次郎ら四人は、
沖ノ島の井戸政一家の組員に、
用心棒になってほしいと頼まれ、
島に渡る。


島には、
顔のただれた安(大木実)、
せむしの弥吉(小松方正)と
その息子で聾唖者の五郎(山城新伍)がおり・・・。





今日は、放送禁止用語満載。


なにせ、この「博徒七人」の「七人」というのは、
全員が、
体のどこかに障害を持つ者たちで、
そんな内容のせいで、
DVD化もできない、
貴重な作品らしい。


けれど、DVD化はできなくても、
ここはブログだ。
ド素人が書く、
自由なブログだ。
だから書く。
(と開き直る(笑))。


片目に、
片腕に、
片足に、
めくらに、
ただれに、
せむしに、
おしでつんぼ・・・


こんな面子が結束して、
悪をやっつける。
小気味いい話ではないか。
観ている側だって、
彼らを差別の対象だなんて
1ミリも思っちゃいない。
変な気遣いは、
むしろ、世の中を歪ませる。


粗筋は、ものすごく簡単に書いてしまったけど、
本当はもっと、色々あって、
説明するのが難しい。


沖ノ島の石切り場の採掘権を巡る争いをメインに、
鶴田浩二の過去や、
藤山寛美の女性問題が絡んで、
ごちゃごちゃと(笑)。


ここはもう、
ストーリーより、
7人の障害者の演技を楽しみたい。


とはいえ、
七人が一堂に会する場面は、
思い出す限り、一度もなく、
多くても4ショットくらいだった気する。
一度くらい、勢揃いの場面が見たかった。
ちょっと残念だ。


すごくいいと思ったのは、
彼らの言葉。
彼らは皆、
それぞれの出身地のお国言葉で
話している。
関西弁やら、名古屋弁やら、博多弁やら。


障害も、
一人一人違っていて個性的だけど、
言葉も個性的。
みんな違って、みんないい。


評価 ★★★☆☆

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裏・市長

出た!任侠版「七人の侍」!!。

強きをくじき、弱きを救う。
やってるこたぁ同じなのに、
片っぽはあの!巨匠・黒澤明の永遠の名作!。

片っぽはあの!so-netブログの巨匠レビュワー、
青山実花さんにしか評価されないってのは、
どういう訳だい。

それにしても姐さん、今日は威勢がいいねぇ。

「変な気遣いは、
むしろ、世の中を歪ませる」!!。

言いきったね、あっしゃぁ姐さんに惚れちまったよ!。

そうなんだよ、ここに出て来るカタワもんは、
見た目だけなんだよ。
見た目だけで異物として扱われる。

それよりももっとタチが悪いのは、
一見、五体満足で普通の人間ヅラした奴の
中にひそむ狂気よ。

パッと見、クルクルパーなら、。
こっちも避けようがあるってモンだが、
今の世の中、ごく普通の一般人がいきなり
ナイフを取りだす、いきなり駅のホームで
他人を突き落とす。

で、刑事責任能力なしで罪に問われない。
やられた方は「運が悪かった」。

姐さん、運が悪かったで
済まされていいんですかい?。
納得できるんですかい?。

こういう事を言い出すと、
犯人にも人権はあると言い出すんですぜ。
とんでもねぇ、やられた方にも人権はあるってんだ、
てやんでぇ、バーロー、チクショー!。

おっと、熱くなりすぎやしたね。
そうだ姐さん、忘れるところだった。

今日の分の新年の挨拶だ。

新年あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

それじゃあ姐さん、明日また新年の挨拶、
させていただきやすぜ。



by 裏・市長 (2018-01-08 03:22) 

ななつ星

観たいなぁ。この映画は面白いらしいって読んだことがあります。若尾さんの女めくら物語も評判いいみたいだし、女座頭市のめくらのお市とかこの手の映画が生涯未見で終わるのは残念です。
by ななつ星 (2018-01-08 20:17) 

Ginger

旅先で聴くネイティブの言葉・・・いいですよね♡
広島弁が聞きたくて、わざと道をきいたことがあります~♪
by Ginger (2018-01-10 15:10) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

そりゃあ、裏・市長さん、
世の中には、
太陽もあれば、月もあるんでもんですよ。

「七人の侍」が、誰もがありがたがる太陽なら、
「博徒七人」は、月みたいなもん!

太陽が、人間や動物や植物の成長に
欠かせないものなのに対して、
月の役割って何?ってくらいのものですわ。

でもやっぱり、月には月の存在意義がある。
暗闇でしか生きられない人間を
薄ぼんやりと照らしてくれてるんですわ。

そして、そんな月の方が好き、という人間も、
世の中には一定数いるってもんで、
「七人の侍」より、
「博徒七人」を観て、
喜んでいる人間もいるって事なんですわ。

私も、お天道様の下を、
大手を振って歩ける人間なのかと尋ねられたら、
100%肯く事はできやしないかもしれないですわ。

ナイフで刺されても、
駅で突き落とされても、
自宅に放火されても、
世間は、
「運が悪かった」どころか、
「自業自得」と、
指差して、笑うかもしれないわ。

でも、いいんだ、
月に照らされてながら、
裏街道を歩く青山実花ってのも、
ちょいとカッコいいってもんじゃないですかい。

by 青山実花 (2018-01-14 08:01) 

青山実花

ななつ星さん
コメントありがとうございます。

ななつ星さんが、どのような方なのかは分からないのですが、
「生涯未見」だなんて、悲しい事は言わないでくださいね。

「博徒七人」も「女めくら」も「めくらのお市」も、
名画座でかかった事があるようですし、
これから先、ソフト化される可能性もゼロではありません。
有料チャンネルでは、たまに放送されているようです。
いつか必ず、観られる機会があると思います。

by 青山実花 (2018-01-14 08:01) 

青山実花

Gingerさん
コメントありがとうございます。

わかります、
私も地方に行くと、人の話している言葉が好きで、
聞き耳を立ててしまう事があります。
方言っていいですよね^^

by 青山実花 (2018-01-14 08:02) 

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