「足にさわった女」

〔1952年/日本〕


上司から、
有給消化をしろと命令された刑事（池部良）は、
休みたくはないのだが、
渋々休暇を取り、
東京に向かう列車に乗る。


すると、食堂車で、
有名作家・坂々安古（山村聡）が、
編集者を相手に、
犯罪を犯す女に美人はいないと、
持論を展開している。


刑事は思わず、
坂々に反論した。
「女の犯罪者にも美人はいる」と。


列車内には、
刑事の顔見知りのスリ・さや（越路吹雪）が
乗っていた。


さやは、
戦時中、スパイの嫌疑をかけられたまま
死んでいった父の法事を
行うため、伊豆下田に向かっていた。
父に酷い事を言って追い出した、
親類縁者たちを見返すために、
ド派手な法要をしてやると・・・。





以前、増村保造監督、京マチ子さん主演の、
「足にさわった女」は観た時、
お二人の事は大好きなのに、
映画にはピンとこなかった記憶がある。


自分に合わなかったのか、
それとも、
名画座で4本連続で観た、
4本目だったので、
疲れていたのか（笑）。


本作は、越路吹雪さん主演の、
オリジナル。
越路さんの、
ルックス、台詞回し、動き、
その全てがコミカルで、
笑ってしまう。


劇中、何度も、越路さんを
「美人」という場面があるのだけれど、
これが冗談なのか、
本気なのかが、
私には判断がつかなくて困った。
（ごめんなさい）


だって越路さんが、
どんなに男性に迫っても、
なんだか、女という感じがしない。
（重ね重ね、ごめんなさい）


それは、魅力がないというわけではなく、
いわゆる、
たおやかな色っぽさがないせいだろうと
思われる。
なぜか、彼女と知り合う男性は、
みんな、彼女に夢中になってしまう。


それから、
越路さんの伊豆下田の場面に
めっちゃ考えさせられたなぁ。


現在の自分がどんなに立派で、
羽振りがいいかを、
親戚連中に見せつけるために帰ったというのに、
親戚の人々は、
もう敵ではなかった。


人々は、
戦争のせいで、貧しく、
ボロボロの着物を着て、
食事も満足に取っていないようで、
越路さんは、啖呵を切ろうにも、
それどころではない状態だったから。


復讐ってなんだろう、
時の流れってなんだろう、と
考えずにはいられなかった。


ところで、京マチ子さん版に、
故郷でのこんな場面ってあったっけ？
あったら記憶に残ってる気もするんだけどなぁ。
忘れちゃっただけなのかなぁ。


評価　★★★☆☆

コメント 6

戦後という時代だからこそ、生命力の強い、たくましい女性に皆、魅かれちゃったのかなー？
by Ginger (2017-12-25 12:36) 

昔はお色気たっぷりな京マチ子さんが大好きでした。今どうしてるんでしょうね？お～～～～～～～～～～～～～～～～～～い(^_^;)
by 旅爺さん (2017-12-26 08:48) 

「足にさわった女」。

・・・あんまりうれしくないよな・・・。
触られても・・・。

「足をさわらせた女」。
お、ちょっとおもしろくなってきたゾ。男的に。

「3本目の足をさわりたがる女」。
サイコーちゃうか！男的には！。

…あ、すいません、にっかつ映画の
レビューではなかったですね・・・。

越路吹雪さんを「美人」の範疇に
加えるのはちょっと厳しいかも知れない。
あの人は男女と言う性別を越えた生物だから。

「復讐」ほどバカバカしいものはないのだが、
人間を支える一番大きな原動力は、
「恨み」のエネルギーらしい。

恨む＝復讐を果たすまでは生きられる…。
そんな感じか。

復讐も大事だけれど、
やられた原因の度合いにもよるよな。

「家族全員を殺された」←10年後に犯人を見つけ刺殺。

よくやった！。（世間の声）。

「学生時代、セーラー服の背中に
青山のオカチメンコ」と書いた紙を貼られた。←10年後に
同窓会で犯人を見つけ、知らないうちに背中に
ハナクチョをなすりつける。

人間、ちっちゃ！。（世間の声）。

復讐も色々とムズカシイ・・・。
by 裏・市長 (2017-12-30 20:46) 

Gingerさん
コメントありがとうございます。

戦後はメソメソしていては、
生きていかれなかったでしょうから、
きっと越路さんの魅力にやられてしまったのでしょうね＾＾

by 青山実花 (2018-01-07 11:55) 

旅爺さんさん
コメントありがとうございます。

京マチ子さん、
ピーターさんのブログに
何度か出てきておられますね。
80代後半ですが、相変わらず素敵です＾＾

by 青山実花 (2018-01-07 11:56) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

「足にさわった男」。

何するのっ！
みなさーん、この人、痴漢です！


「足をさわらせた男」

ちょっと、変な事、しないでくれます？
人の手を取るの、やめて！


「3本目の足をさわりたがる男」。

そうなの、あなた両刀使いなの。
どうぞ、男同士、
存分に楽しんでくださいませね。


そうですか、
恨みのエネルギーは、
それほど強烈ですか。

そういえば、どこかの隣の国では、
人々の全ての行動は、
「恨（ハン）」から来ているとか、
言いますものね。

どおりで、
いつまでもいつまでも
100年経っても、
1,000年経っても、
終わった事、ありもしなかった事を
グダグダグダグダグダグダグダグダ・・・∞

頭がおかしいとしか言いようがありませんわね。

あ、すみません、映画と関係ない話を。

by 青山実花 (2018-01-07 13:10)