「谷崎潤一郎『痴人の愛』より ナオミ 」 [映画]
〔1980年/日本〕
貿易会社を経営する河合譲治(斉藤真)が、
ナオミ(水原ゆう紀)と出会ったのは、
彼の行きつけのスナックだった。
アルバイトとして働き始めたナオミを
譲治は一目で気に入り、
デートに誘い出す。
同棲を始めた譲治とナオミだが、
最初の一年間、
2人は一線を越える事はなく、
譲治はナオミを理想の女性にするべく、
大切に育てる。
一年目に二人は結ばれるが、
ある日、譲治は、
家の前で、ナオミが若い男・浜田と
一緒にいるのを見てしまう。
「浜田はテニスクラブのお友達」。
そう言い張るナオミの言葉を信じるしかない譲治だったが、
その後、ナオミが不特定多数の男たちと
関係を持っているとの噂を聞き・・・。
先日、
叶順子さんの「痴人の愛」のレビューの中で、
「谷崎潤一郎『痴人の愛』より ナオミ 」という映画があるらしいと
書いたのだけれど、
やっぱり気になってレンタルしてしまった。
今まで観てきた、
古い3本の「痴人の愛」のナオミが、
登場した時から、
譲治を翻弄していたのに対して、
この映画の彼女は、
最初は意外としおらしい。
なにせ、譲治が服を買ってあげると、
ショップに行った際、
言いにくそうに、
「欲しい服が2着あるのだけれど、
2着とも買っていいでしょうか」
みたいな事を聞く。
これが叶順子だったら、
そんな事確認もせずに、とっとと買っていただろう(笑)。
そう、この映画のナオミは、
最初はとっても可愛い子ぶりっ子(死語?(笑))だ。
1980年といえば、
可愛い子ぶりっ子の代表格・松田聖子がデビューした年か。
何となく、世の中に、
そういった女の子が受けるみたいな風潮があったのだろうか。
そんなナオミを、
理想の女に育てようと、
調教する譲治なんだけど、
なんだか、理想の女と逆の方向に行っちゃってる気が。
しおらしかったナオミは、
どんどん淫蕩で我儘で蓮っ葉な女になっていくじゃないの。
この教育は失敗じゃない?(笑)
最初は、服を2着買う事さえ遠慮していた彼女の
浪費っぷりも凄い事になる。
譲治が朝、生活費として40万を渡すと、
なんと彼女は、一日でそれを使い切る。
譲治のセリフによると、
「今月だけで、もう200万も使っている」らしい。
羨ましいような話だわ(笑)。
たとえ、1日で40万を使えと言われたとしても、
貧乏性の私には、恐ろしくてできない(笑)。
そんな事がいとも簡単にできる女だからこそ、
魔性の女なのでしょうね。
そしてそれは、
他の映画と違って、
譲治が結構金持ちっぽい設定だから、
そんな場面が成立するのかも。
彼がナオミと暮らすために買った家も、
めっちゃ豪邸。
私は一日40万円を使う事はできないけど、
豪邸は大好き(笑)。
評価 ★★★☆☆
翻弄されたいオトコにとって「ナオミ」って言葉の響き自体がそそられる・・・気がする・・・どんな役でも「命名」って大事、そこから生き始めるような。
by Ginger (2017-07-07 15:28)
水原ゆう紀さんは覚えているけれど内容を
すっかり忘れてます。
36年前だったんですね 感慨深い
by きよたん (2017-07-07 17:41)
やっぱり見たか!見るよな~!、
見なきゃな~、
それでこそホンモノの青山実花だな。
まぁ、ニセモノが出たという噂は聞かないが)。
今日という今日は、この「斉藤真」という
俳優にスポットを当てて、
ご紹介しておきたい。
このような機会でも無い限り、
斉藤真が再評価されることは、
金輪際ないと思われるからだ。
この人の芸歴は長い。
しかし「主演」というのは、「ない」のではなかろうか。
この「ナオミ」も正確には、
準主演、助演という表現が正しいのかも知れない。
この人の代表作は「ナオミ」ではない。
「ナオミ」を見るいやらしい男どもの、
目的の102%は、水原ゆう紀さん目当てだ。
斉藤真はオマケだ、刺し身のツマだ。
全然、再評価していないように
聞こえるので、斉藤真ファンは、
「快傑ズバット」と「特捜最前線」で
妻と子を失って、復讐(逆恨み)に燃える、
過激派のひとりを演じる、
第141話「脱走爆弾犯を見た女!」をご覧ください。
「欲しい服が2着あるのだけれど、
2着とも買っていいでしょうか」。
なんぼ言いにくそうに言っても、
ドあつかましいんじゃ!どっちか1枚にせぇ!。
思いっきりネコかぶってるわ!。
ナオミは最初っからナオミやわ!。
「今月だけで、もう200万も使っている」。
こんな事されたら発狂するな!。
でも、これを人に言うのは、
男側からしたら、「自慢」にも受け取れる。
オレはこんないい女をかこっていて、
200万も使わせる余裕があるんだぜ?と。
聞いてもいないのに、
いきなりこんな事を語りだす奴の
103%はご自慢です。
by ニセ山実花 (2017-07-09 11:09)
by 裏・市長 (2017-07-09 11:13)
Gingerさん
コメントありがとうございます。
確かに、この本が書かれた大正時代、
きっと男性たちは、「ナオミ」と聞いただけで、
淫靡なものを想像したのでしょうね。
谷崎潤一郎、さすがですね。
by 青山実花 (2017-07-12 19:25)
きよたんさん
コメントありがとうございます。
バブルの少し前の映画ですね。
36年も経てば、忘れていて当然です。
観た!という事実が大事です^^
by 青山実花 (2017-07-12 19:25)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
何を仰いますか。
裏・市長さんが、叶順子の「痴人の愛」のコメント欄で、
水原ゆう紀の「痴人の愛」も観ろ観ろ観ろ観ろ書かれましたので、
その通りにいたしましたのよ。
わたくしはいつだって、
裏・市長さんの言いなり、
言われた事は、全て実行しているのでございますよ。
そうでもしないと、
嫌がらせコメントにさらなる拍車がかかりますので、
それが、防衛手段でございます。
この映画を観て、
水原ゆう紀さんについて語る方は、
星の数ほどおられましょうが、
斉藤真さんについて語る方には、
初めてお目にかかりましたわ。
なにせ、今の時代、
斉藤〇といえば、
斉藤工くんを思い出す方が96.2%なのではないでしょうか。
わたしくしは、最初、お名前も読めませんでしたわ。
「さいとうまこと」かと思いましたの。
「さいとうしん」さんなんですのね。
映画「祭りの準備」にも出ておられますのね。
あれは傑作でしたわ。
あら、裏・市長さん、ありがとうございます。
わたくしのために、
毎月200万のお小遣いをご用意してくださると言うのですね。
200万では、私の美貌を引き立てるには、
少ない気もしますが、
それが裏・市長さんの精一杯のお心だと分かっておりますので、
ありがたく使わせていただきます。
本当にナオミったら、失礼な女ですよね。
「服を2着買っていいか」なんて、
人を馬鹿にしてるんでしょうか。
普通そういう時は、
「ここにある123着、全て買っていいでしょうか」と聞くのが、
男を立てるコツですのに。
裏・市長様なら、それくらい、
蚊に刺されたか、
ヒアリに噛まれたくらいにしか感じませんのにね。
by 表・市長 (3017-01-23 12:26)
by 青山実花 (2017-07-12 19:28)