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「動脈列島」 [映画]

domyakuretto.jpg
〔1975年/日本〕


新幹線が開通し、
人々の生活も上向いてきたと思われる、
高度成長期の日本。


しかし、新幹線の沿線に住む住人たちは、
その凄まじい騒音に悩まされ、
その中の一人の老女は、
医師・秋山宏(近藤正臣)と、
彼の恋人で薬剤師の君原知子(関根恵子)の目の前で、
息絶える。


義憤に駆られた秋山は、
君原に、ニトログリセリンを盗ませ、
新幹線のトイレに置く。
騒音対策をしなければ、
新幹線を脱線させるという脅迫状と共に。


警視庁は、犯罪科学専門の滝川保(田宮二郎)を
捜査本部長に任命し、
犯人逮捕に全力をあげるが・・・。





なぜこの映画を選んだのかって、
それはもう、
先日書いた、
「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」を観たのがきっかけ。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25


このドキュメンタリー映画に出てきた、
増村保造監督のお姿を見た時、
そういえば、私は増村監督の映画はかなり観ているはずだけど、
何本くらいだろうと思い、
数えてみたのだ。


すると結果は、監督が生涯残した映画57本中46本。
あと11本観れば、全制覇できる。
これは、その11本のうちの1本というわけで。


しかも、タイミングよく、
23日から、角川シネマで、
「溝口健二&増村保造 映画祭」が始まる。
楽しみ楽しみ、楽しみすぎる(笑)。


で、この、「動脈列島」。
なかなか面白い。


60年代から70年代の日本は、
飛躍的な成長を遂げたはいいが、
同時に公害にも悩まされ、
そのうちの一つ、
新幹線の騒音問題に怒った医師が、
持てる知識をフル利用して、
国鉄を脅す、という流れに目が離せない。


ただ、めちゃくちゃご都合主義なところも。


捜査の指揮を取る田宮二郎の推理というのが、
全て勘(笑)。


彼は、犯人の特徴(職業など)や、
犯人が新幹線走行を妨害する場所などを、
「おそらくそうであろう」くらいの理由で、
決めつけ、
またそれが当たる(笑)。


あんな刑事がいたらいいわー、
犯人の検挙率100%だわーと思わなくもない(笑)。


まぁいいや。
これは犯人探しの映画ではない。
犯人と、警察の攻防を楽しむ映画だ。


増村監督の映画も、
あと10本。
頑張ろう。


評価 ★★★☆☆

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コメント 14

hatumi30331

田宮二郎が、好きな時期もあったのよ
by hatumi30331 (2016-12-20 12:27) 

むうぴょんこ

ど~も~!!
是非、この流れで時間ができたら佐藤純也監督の”新幹線大爆破”もレビューしてもらえたらうれしいかも??
って、無理なお願いしてゴメンね・・・ってな感じのもしよかったらってフワフワ状態での希望ですよっ(笑)
by むうぴょんこ (2016-12-20 13:28) 

raomelon

一人の監督が生涯残した映画を全制覇ってスゴイですね!
実花さんにとっては、普通なのかな?^^
あと10本、楽しみですね~♪
by raomelon (2016-12-20 19:13) 

えーちゃん

田宮二郎と言えば、クイズタイムショックで司会をやってたよニャ。
くらいしか思い浮かばない(^^;
by えーちゃん (2016-12-21 05:50) 

駅員3

田宮二郎さん、懐かしい俳優さんですね。

古い映画を見るのは、その時代その時代を映画と自分を重ねられて、いいものですね。
by 駅員3 (2016-12-21 07:23) 

よーちゃん

山勘で捜査して、ちゃんと当たる刑事さん、
昔の映画っぽくてナイス(^_^;)
by よーちゃん (2016-12-21 08:11) 

裏・市長

「あと10本。頑張ろう」。

当たり前だけれど、
みんなそれぞれ、頑張るところが違うな。

みんな違ってそれでいい。    みみず。


田宮二郎さんはよくも悪くも古いタイプの役者やな。
プライドが高そう…というか高い。
たかだかポスターに印刷される名前の順番ぐらいで
会社とケンカして仕事を干されるほど高い。


しかしここは、彼にとって
どうしても譲れない部分だったのだろう。
誰にでも、ここだけは…というところはある。
ボクにもある。

夜の食料品売り場。
半額しか許せない。
3割引で買う事は負けを認めることになる。
3割引で買うぐらいなら3日ぐらい食わなくてもいい。
これだけ悲壮な決意を秘めて、
スーパーに向かう男もそうそうはいまい・・・。

さて、田宮二郎さん。
ボクにとっての最高傑作は犬シリーズでも、
「白い巨塔」でもなく(どちらも名作ではある)、
テレビシリーズの「高原へいらっしゃい」と、
「知らない同士」。

どちらも出世のレールから外れた男の再起を
描いた物語でありますが、やはり田宮二郎。
さすが田宮二郎。笑顔でも目が笑っていない。

どこか影がつきまとう。

・・・まるでボクのように・・・。
と、日記には書いておこう。
by 裏・市長 (2016-12-21 12:48) 

青山実花

hatumi30331さん
コメントありがとうございます

田宮さん、素敵ですものね。
今見てもカッコいいと思います。

by 青山実花 (2016-12-22 22:02) 

青山実花

むうぴょんこさん
コメントありがとうございます

「新幹線大爆破」も面白かったですね。
いつかレビューできたらしてみます。

by 青山実花 (2016-12-22 22:03) 

青山実花

raomelonさん
コメントありがとうございます

いえいえ、凄いというより、
馬鹿といった方が近い気がします^^;

といっても、こういった古い監督さんの場合、
フィルムがない事も多く、
なかなか達成できなくて・・・。
なんとか頑張れればいいのですが。

by 青山実花 (2016-12-22 22:07) 

青山実花

えーちゃんさん
コメントありがとうございます

なるほど、
えーちゃんさんの中の田宮さんは、
俳優というより、司会者ですね。
人それぞれ、色々なイメージがあって
面白いですね^^
by 青山実花 (2016-12-22 22:08) 

青山実花

駅員3さん
コメントありがとうございます

はい、古い映画は、
ストーリーもいいですが、
時代の出来事や、風景などを楽しむのも
醍醐味の一つですよね。
by 青山実花 (2016-12-22 22:09) 

青山実花

よーちゃんさん
コメントありがとうございます

いいですよねー、
勘だけで捜査ができるなら。
あんな刑事さんがいたら、
ASKAも「お茶」だなんて言えなかったでしょうね(笑)。


by 青山実花 (2016-12-22 22:12) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます

> 「みんな違ってそれでいい。    みみず。」

みみずさんはいい事を仰いますわ。
人が聞いたら、アホに思える全制覇も、
私にとっては大変な快挙なのでございます。

田宮二郎さんは、見るからにプライドが高そうですね。
そんな彼だから、色々苦しんで、
あのような最期を遂げたのでしょうか。
今生きておられたら、
素敵なおじいさまになっていたでしょうに。
まぁ、過ぎた事を言っても仕方ないのですが。


> 夜の食料品売り場。

裏・市長さんがよく行かれる夜のスーパーとは、
オークワの事でしょうか。
そうですよ、3割引きなんてとんでもない事です。
あと数分待てば半額になるのですから、
そこは忍の一字で耐えなければ。
ちんたらカートなんて押していられませんよね。
カゴのみで突撃しないと。
たとえ途中で知り合いの女性が話し掛けてきても、
無視ですよ、無視。
買い物の方が大切ですわ。
なにせ半額ですもの。

「高原へいらっしゃい」は聞いた事がありますが、
「知らない同士」は知りません。
これが山本陽子さんとの出会いのきっかけになったのでしょうか。

そうですね、
裏・市長さんも、田宮さんも、
どこか影のあるクールな男。
山本陽子さんのような美人でも夢中にさせてしまうような・・・
と、日記には書いておいてあげましょう。

by 青山実花 (2016-12-22 22:57) 

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