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「甦る熱球」 [映画]

yomigaerunekkyu.jpg
〔1949年/アメリカ〕


テキサスの田舎町で、
草野球に興じていたモンティ・ストラットン(ジェームズ・スチュワート)は、
偶然行き合わせた
元大リーガー・バーネー・ワイル(フランク・モーガン)に
声を掛けられる。


「ストラットンなら大リーグでも通用する」
その才能を見抜いたワイルは、
彼をカリフォルニアに連れ出し、
シカゴ・ホワイトソックスの監督に彼の投球を見せた。


それはワイルにとっても、
再起のチャンスだった。
ストラットンはホワイトソックスと契約し、
ワイルもトレーナーとして雇われる。


ストラットンは大リーガーとして、
めきめき頭角を現し、
さらに、美しい恋人・エセル(ジューン・アリソン)と結婚、
息子も生まれ、
人生、順風満帆。


ところが、里帰りした実家で、
うさぎ狩りに出掛けた彼は、
転んだはずみで、
自分の右脚を猟銃で撃ってしまい、
膝上から切断せざるを得なくなってしまう・・・。





1930年代に大リーグで活躍した、
実在の義足プレーヤー・モンティ・ストラットンの
人生を描いた物語。


このストラットンという人を、
私はよく知らないけれど、
この映画の通りの人だとするなら、
ジェームズ・スチュワートにピッタリの役柄だと思う。


映画の中のストラットンは、
真面目で愛妻家、
妻・エセルに「取材だ」と嘘を吐き、
「何で?浮気とか?」と観客を不安にさせておいて、
実は、妻を喜ばせる為に、
ダンス教室に通っていたなどというエピソードは、
とても可愛く、微笑ましい。


それを、「アメリカの良心」と呼ばれ、
ハリウッドスターにしては、
生涯一度もスキャンダルがなかったと言われる
ジェームズ・スチュワートが演じると、
説得力が増す(笑)。


なので、余計に、
猟銃の事故がショックで。


その事故は突然やって来る。
演出も、
「来るぞ来るぞ」といった不安がなく、
全くの自然な流れで、
観ているこちらも、「あ、やっちゃった!」と思ったくらい。
しかし、実際の怪我って確かにそんな感じだ。
「あ!」と思った時は既に遅く、
体は傷ついているのだものね。
そうならないように、なるべく気をつけて行動したいものだけれど。


彼は義足を付けて、
大リーグに復帰するのだけれど、
その陰に、妻・エセルの力があった事も大変に印象深い。
エセルがいなかったら、
彼はどうなっていたのだろうと思うくらい。
エセルを演じたジューン・アリソンの笑顔が素晴らしくて。


それから、一つ、
忘れちゃならないのが、
ストラットンの子供役の赤ちゃん!


この子は、揺り籠の中で、
天井を見つめている時、
ジューン・アリソンが近づくと、
本当に嬉しそうに、ニコっと笑う。
それがもう、本当のお母さんの顔を見た時の赤ちゃんみたいに、
可愛くて可愛くて、
巻き戻してもう一度観ちゃったくらい可愛くて。


さらに、右脚を失って、
自暴自棄になっているストラットンの前で、
尻もちをつきながら、
歩き始める様子を見せる。


これはもう、
無垢の赤ちゃんだから感動できる場面。
主役が食われてしまったような感じだった(笑)。


評価 ★★★★☆

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コメント 6

Rchoose19

赤ちゃんの演技力って本人が無意識なだけに、
きっとすごいんでしょうねぇ~~♪
by Rchoose19 (2016-05-17 12:35) 

MONSTER ZERO

これは懐かしい!
小学生の時、現テレビ朝日(テレ東かも?)でOAしたのを観た記憶が
あります^^;
タイトルは「ストラットン物語」でした。。。。感動したのを覚えています。
by MONSTER ZERO (2016-05-17 15:29) 

裏・市長

おはようございます!。

そやなー、事件や事故は予告なくやってくる。
予告があれば避けてしまうから事故にならない。

キャンディキャンディにおける、
アンソニーの落馬事故のように・・・。
あら、いい感じじゃない?微笑ましいわぁ・・・と、
思っていた矢先にあっさり死んでしまうアンソニー。
その後のキャンディはふっきれたように、
男をとっかえひっかえ・・・。←言い過ぎ。

「巻き戻してもう一度観ちゃう」。
この表現ももう平成生まれには通じない時代に
なってしまうかも知れない。
電話をダイヤルするとか、テレビのチャンネルを回すとか。

今、生まれた子どもが物ごころ付く頃には、
ビデオデッキなんて家にないだろうなぁ・・・。
でも、ちょっと聞いて!。
いま、海の向こうではVHSビデオが見直されてるんですって。
まだ「ビデオソフト」が出てるらしいよ!。マヂかよ?!。

今日も暑くなりそうです。
ちょっと、かなり気合い入れてがんばりますわ・・・。
by 裏・市長 (2016-05-18 09:08) 

青山実花

Rchoose19さん
コメントありがとうございます

本当、赤ちゃんって無意識だから可愛いんですよね。

ところで、ブログは再開されないのでしょうか。
ごめんなさい、催促しているわけではないのですが、
なんだか淋しくて^^;
by 青山実花 (2016-05-21 21:51) 

青山実花

MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます

テレビで放送されてましたか。
今のテレ東の「午後ロード」でも、
もっとこういった作品を放送すればいいのにですね。

この映画、原題が「The Stratton Story」ですから、
「ストラットン物語」の方が正解なのかもしれませんね^^;
by 青山実花 (2016-05-21 21:54) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます

おぉ!
「キャンディキャンディ」!
昔、一気読みしましたよ。
アンソニーは呆気なく亡くなったけど、
私はテリーの方が好きです。

なのでスザナ存在がちょっと疎ましかった。
スザナの事故がなかったらと思いますが、
あれも運命ですね。
悲しいけど、仕方ありません。

VHSやレコードなど、
昔のものが
見直されているのでしょうか。
VHSも大事ですが、
デッキも大事ですね。
私は今使っているデッキと、
あと、親戚が捨てるというデッキをもらってきて、
予備にと、しまってあります。
これで死ぬまでもつかな。
壊れませんように、と祈っています。
by 青山実花 (2016-05-21 22:08) 

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