「世にも面白い男の一生 桂春団治」 [映画]
〔1956年/日本〕
法善寺横丁の寄席で前座を務める
桂春団治(森繁久彌)は、
借金だらけで、女癖も悪いが、
なぜか憎めない男。
小料理屋のおたま(淡島千景)は、
そんな春団治に惚れていて、
二人は所帯を持つ。
ところが春団治は、結婚直後から、
家に寄り付かなくなった。
彼は、小間物問屋の未亡人・おりゅう(高峰三枝子)と懇意になり、
そちらの家で寝泊まりしているのだ。
ある夜、珍しく帰ってきた春団治が
おたまと喧嘩していると、
若い女・おとき(八千草薫)が訪ねてきて、
おたまが彼の女房だと知り泣き崩れた。
おときは春団治に口説かれ、
関係したおぼこな娘で、
なんと妊娠していると言う。
おたまは驚き、
お腹の子供の為を思い、家を出てゆく。
今度はおときと所帯を持った春団治だが、
おりゅうとの関係は相変わらずで、
悩んだおときは、
生まれた子供を連れて、出てゆく・・・。
「春団治」の名前の入った映画は、
本作と、もう1本、
「色ごと師春団治」があって、
そちらの感想は以前にこのブログで書いた。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-06-07
内容はほぼ同じ。
桂春団治という人の人生は、
本当にこんなだったのか、と思う。
春団治をめぐる3人の女に悪い人はいない。
どの女も、春団治を深く愛すると同時に、
女同士、互いの存在を尊重し合っているように見える。
それって、ある意味、
春団治のあまりの駄目っぷりに、
女同士が結束せざるを得なかったとも言える(笑)。
春団治は、意識してそんな風にしているわけではなかっただろうが、
結果としてそうなったと言おうか。
そんな春団治を演じる森繁さんは、
もう、本人そのもの(のような気がする(笑))。
無類の女好きで、とぼけていて、
その場さえ取り繕えば、
それでいいという男。
そして、女に責められるとキレる。
こう書いていると、
本当に最低のようだけれど、
彼は憎めない。
とくにおたまは、
別れてからもずっと、
春団治を助け、見守り続けている。
面白いんだけど、
どこか悲哀を感じる、桂春団治の人生。
もうこんな破天荒な人は、
出てこないと思うなぁ。
今の世の中、
一度でも不倫がバレれば、どれだけ叩かれるか。
(不倫を奨励しているわけではないです)
そんな事を恐れない大物が出てくればいいけど、
そうなると結局、テレビから干されてしまうだろうしな。
評価 ★★★★☆
はじめまして
これは、非常に良い!^ ^
by KENT1mg (2016-04-09 17:04)
オンナは芸の肥やしとかいいましたよね
桂春団治ここまでやればおもろい人生ですね
歌舞伎役者や落語家や漫才師など外に隠し子が
いたとかいう話も聞きました。
今や不倫は犯罪のよう。
あれほど時間を割くような問題ではないと思い
ますけどね。
by きよたん (2016-04-09 21:31)
さすがは森繁!。このツラがまえ!。
エッチではない、いやらしいでもない、
「すけべぇ」!。この4文字がここまで似会う
俳優は今の日本におらんで!。
日本の映画界は貴重な財産を失った。
大いなる損失だ。
呑む、打つ、買うが男の甲斐性、
芸の肥し、芸のためなら女房も泣かす、
それがどうした、ぼくドラえもん♪。
と歌われた時代もあった。
見てる分にはおもろいけど、
実際巻き込まれたら…イヤでっせぇ・・・。
あんまり友達にはなりたくないわぁ。
でも、こんな危険な香りのする男のほうが
なぜかモテてモテて困っちゃう傾向にあるようだ。
無免許で父親の車、乗り回す男(エッ!)がカッコイイ♪。
最近は運転も慣れてきた(エッ!)、
捕まるの怖いから夜しか乗らない(エッ!)、
それ・・・犯罪です。
インターネットの発達した平成の世では、
不世出の存在。
てーか、皆で叩きまくるので存在できない。息も出来ない。
「桂春団治」という存在自体がすでに伝説なのかも知れない・・・。
by 裏・市長 (2016-04-10 10:52)
春団治と言えば、阪神タイガースOB会長の、
川藤幸三氏を思いだします。
なんでそう呼ばれてるかは知りませんが^^;
by don (2016-04-10 17:49)
こんばんは〜裏の市長さんが書かれましたので・・・またね〜
by Hide (2016-04-10 23:07)
KENT1mgさん
コメントありがとうございます
はい、良い映画でした。
観ていただきたいなぁと思うのですが、
おそらくはソフト化されていないのが残念です。
by 青山実花 (2016-04-12 14:22)
きよたんさん
コメントありがとうございます
女も酒も芸の肥やし、でしたよね^^;
最近結婚された歌舞伎の方にも
子供さんがありますしね^^;
芸能人の不倫は、難しい問題ですね。
それくらいしてくれないと、面白くないと思う反面、
見つかったら再起不能なくらい叩かれる。
品行方正な芸能人なんて、
なんか意味ない気もします^^;
by 青山実花 (2016-04-12 14:26)
裏・市長さん
コメントありがとうございます
こういう俳優さんは、
今はいなくなりましたねぇ。
ファンも良くなんですかね、
俳優さんに「可愛さ」を求めてしまうから。
(それ、私じゃん!(笑))
>それがどうした、ぼくドラえもん♪。
あはははは~。
これ、素晴らしいセンスですね。
春団治とドラえもんの合体!
最高です。
私も、芸能人や他人には破天荒を求めるのですが、
友達は真っ当な人がいいんです。
あまりにも常識とかけ離れた人とは、
付き合いたくないんです^^;
(例:横山やっさん(笑))
>なぜかモテてモテて困っちゃう傾向にあるようだ
いつの時代も、そういった男性に惹かれる女性は
一定数いるようですね。
まぁ、それで世の中成り立っているのでしょうが(笑)。
これからの世の中、
一体どういった方向に流れているのか、
ある意味、とっても興味があります。
by 青山実花 (2016-04-12 14:36)
donさん
コメントありがとうございます
検索してみましたら、
本当だ!
川藤さんは春団治と呼ばれているようですね。
なんでも、
破天荒だけれど、奥さんには弱いから、
というのが理由だそうで^^;
面白いですね。
by 青山実花 (2016-04-12 14:41)
Hideさん
コメントありがとうございます
裏・市長さんは
いつも面白くてありがたいですね^^
ブログも笑ってしまいます。
by 青山実花 (2016-04-12 14:43)