「ロゼッタ」

〔1999年/ベルギー〕


アル中の母と、
トレーラーハウスで暮らす少女・ロゼッタ（エミリー・ドゥケンヌ）は、
ある日、突然仕事をクビになってしまう。


古着を売ったり、
近所の池で魚を釣ったりして、
なんとか食いつなぐロゼッタだったが、
とにかく仕事がしたくてたまらない。


やっとワッフル製造工場に採用されるも、
社長の息子が戻って来て、
ロゼットの仕事を横取りしたため、
またしても無職に。


ワッフルの車販売をするリケが、
こっそり、リケ手製のワッフルを売っている事を知ったロゼッタは、
それを社長に言い付け、
リケがクビになるように仕向け、
自分が車販売の仕事に就くのだが・・・。





ベルギーの若者の現状を
ドキュメンタリータッチで描く、
ダルデンヌ兄弟監督の映画。


主人公のロゼッタの、
「仕事がしたい仕事がしたい仕事がしたい」という
エンドレスの声が聞こえる気がする。


これほど仕事を欲しているのに、
得られないロゼッタが本当に辛い。
ベルギーはとても遠い国で、
私にはその内情はよく分からないけれど、
一人の若者に仕事一つ与えられないほど、
不景気なんだろうか。


彼女は何も、
綺麗な仕事を欲しているわけではないし、
日本でいうところの、
「社員」になりたいとも思っているわけではない。
バイトでいいから働かせてほしいと願っているだけなのに、
それさえ叶わない。


せめて母親が頼りになるとか、
相談相手になればいいのだけれど、
酒びたりな上に、男を家に引き入れる様子では、
むしろ、いない方がいいと思うくらい。


ロゼッタは、仕事を得る為に、
最悪の行為をしてしまう。
それは友人への裏切り。


せっかく親切にしてくれているリケの、
ちょっとした不正を
社長に言い付けるなど、
観ているこちらは、
「貧しくても、それは駄目だよ」と思う。


あたかもそれは、
一つの仕事をめぐって、
椅子取りゲームをしているみたいだ。
他人を押しのけても、倒しても、
椅子に座った者の勝ち。
生きる為のサバイバルゲーム。


ダルデンヌ兄弟監督の映画は、
私には、「ある子供」の方が、
インパクトが強いけれど、
この映画も物悲しく、観るのが辛い。


評価　★★★☆☆

コメント 4

仕事がしたい。
私もそう思うなぁ～。
今の会社、いつまでいられるのかなぁ？と思う今日この頃です。
中途採用だし、もうすぐ還暦だしねぇ・・・・・＾＾；
暇だとさ、派遣さん同士で仕事取りあいになるんですよねぇ・・・・
声がデカいほうが勝つみたいですからね！
カラオケ歌って声出しの練習でもしないとなぁ～～(=^・^=)
by Rchoose19 (2016-03-02 12:52) 

やっぱりベルギーを代表するものは
「ワッフル」なんや！（笑）。
あ、チョコレートもビールもあったわ（失礼）。

>>近所の池で魚を釣ったり

職はないけどなんか楽しそう・・・。

普通に考えれば、会社で自家製ワッフル売るのは悪い。
ヤマザキパンの製造工場勤務で勤務しながら、
マロン＆マロンに、自分が家で焼いてきた
メロン＆メロンを混入させるようなもんだ。

会社にすれば大迷惑である。

でも、相手の間柄によるな。
ボクならまず、混入させてる者に進言するけど
まぁそんな事やってたら映画として成立しないので。

「裏切り」とか「浮気」はクセになるで。
「もうしません」っちゅうーヤツほどアテにならんもんはない。
一度裏切ったヤツは平気で2度裏切る。
これジャングルの常識。
本当に裏切らないヤツァ、一度も裏切ったりしない。

by 裏・市長 (2016-03-02 19:43) 

Rchoose19さん
コメントありがとうございます

Rchoose19さんの会社の状態や社則が分からないので
軽々しい事は言えないのですが、
居られる限界まで居て、
その先の事はまた考えればよいのではないでしょうか。

派遣さん同士で仕事の取り合いですか。
暇って苦痛ですものね。
かといって、目が回るほど忙しいのも大変だし、
ちょうどいい状況って、なかなかならないですね＾＾；

そうですよ！
カラオケで発声練習！
歌いたい～！

by 青山実花 (2016-03-04 06:17) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます

仰りたい事、分かります。
例えば「スカンジナビア風サラダ」とか言われても、
「スカンジナビア半島の人は本当にこんなもの食べてるんか？」
などと、私もつい思ってしまうんです。
ベルギーワッフルも、同じです。
この映画で、本当にベルギー＝ワッフルと分かって一安心です＾＾；

「マロン＆マロン」！
どんなものか、思わず検索してしまいました＾＾；
マロンがメロンに変わったら、
そりゃあ、すぐにバレるでしょうね。
っていうか、高級になってるじゃないですか(笑)。

「浮気」や「裏切り」は不治の病みたいなものなんでしょうか。
川谷くんも、宮崎くんも、文枝さんも、矢口さんも、
治らないんでしょうか。
文枝さんだけは、もういいお年だし、
許してあげてよ、とちょっと思うんですが、駄目ですか？＾＾；
不倫騒動の起こらない芸能界なんて、
ぜーんぜん面白くないんですが、
そんな考え方も駄目ですか？(笑)

by 青山実花 (2016-03-04 06:30)