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「ディーパンの闘い」 [映画]

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〔2015年/フランス〕


スリランカの兵士・ディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)は、
内戦で家族を失い、
難民としてパリに行こうと決意する。


そのためには、
単身より、家族がいた方が、
より審査が通りやすいため、
見知らぬ女・ヤリニ(カレアスワリ・スリニバサン)を妻に、
8歳の少女・イラヤル(カラウタヤニ・ヴィナシタンビ)を娘という事にして、
3人でフランスに向かう。


なんとか難民として受け入れられた彼らは、
パリ郊外の団地で、
管理人として採用される。


疑似家族として、
なんとかこの地で落ち着こうと思った彼らだが、
しかし、そこも、
安住の地ではなかった。


たむろする若者たちは薬物の売買に関わるなど、
団地内は荒れ果てていたのだ・・・。





こういう映画って、
褒めないと駄目なような気がして、困る。
ポスターには、
「カンヌ映画祭 パルムドール受賞」などと
書かれちゃってるし。


ディーパン、ヤリニ、イラヤルの立場になって考えたら、
偽物の家族になってでも、
難民審査を通って、
フランスで暮らせるようになったことを
喜ぶべきなんだろうけれど、


日本人として考えると、
どうなのよ、と思ってしまう気持ちは否めない。


もし、日本に、
こんな形で外国の人たちが住みついたら、
家族でもないのに、
家族のフリして入り込む事がこれほど簡単なら、
一体どうなってしまうの、と、
不安の方が大きい。


こういった問題は、
本音が言いにくい。
もっと深く描きたい事があるんだろうけど、
深読みできない私に、
この映画を観る能力はない。
まずは自分だったら、と、
自分の事しか考えられない人間だから。


それにしても、
難民もそうだけれど、
パリの郊外ってのも、
本当にあんなに酷いものなのか。


ディーパンが管理人として働く団地の荒れ果ててる事ったら。
まるで普通に、
薬物の売買とかしちゃってるし。


しかも、若者が集ったあとの集会所(?)などは、
ゴミの山。
日本って、なんて清潔な国なんだと、
あらためて、自分の国の素晴らしさを振り返るきっかけになったくらい。


評価 ★★★☆☆

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コメント 6

薔薇少女

>まずは自分だったら、と、 自分の事しか考えられない人間だから。
私もそう、自分の尺度でしか考えられないから、
価値観が全く違う相方とは、アイマミエナイ 日々を送っています"o(-_-;*) ウゥム…
by 薔薇少女 (2016-02-19 16:25) 

yonta*

「パルムドール」や「巨匠」の作品を観ても、
感想が感動ではなくて、「?」ってこと、
少なからずあります(笑)。
私の力不足というところが大きいのですが^^;
この作品のような内容だと(未見ですが・・)描かれた地域や
国の現状を知らないので、何と言っていいのか、
知らない人間が何か言っていいのか、考えてしまいますよね。

でも私は、青山さんの自分だったら、と思ったままの
レビューを拝見したいです。
そういう捉え方もあるなあ、とか
そうそう、わかるわかる!っていうのが、楽しみなので♪
・・っていうコメント、前にも書いたような気が^^;
by yonta* (2016-02-20 10:55) 

裏・市長

また出た!踊るぞ華麗なるキャッチコピー!。
「カンヌ映画祭 パルムドール受賞」!。
誉めて!なでて!愛してちょうだい!。

なんやかんや言うても日本は平和やで!。
蛇口をひねれば水はそのまま飲めるし、
イオンモールへ行けば、
まっ昼間っから働き盛りのカップルが
手ぇつないで歩いてる。働けよ!。

yonta*さまのおっしゃる通り、
作品を絶賛する感想が読みたければ
それこそ公式サイトに行けば、
まさか自作をけなす映画会社もあるまいて。

ここは青山フィルターを通して、
調理されたレビューが読める場所。
青山流のときどきドキンとさせられる感想が読みたい。

そうでなければ「のんびり。」に来る意味がない。

自国の素晴らしさを再認識できたのなら、
この映画もそれなりに価値ある一本。

「キャシャーン」も「デビルマン」も
これだけ「ネタ」として語り継がれるならば、
存在意義はある!・・・のかも知れない。
by 裏・市長 (2016-02-21 00:09) 

青山実花

薔薇少女さん
コメントありがとうございます

薔薇少女さんのお家の事情を
完全に理解しているわけではないのですが、
価値観って難しいですよね。
でもきっといつか、
相方さんとの擦り合わせが上手く行く事を願っています。
by 青山実花 (2016-02-21 15:00) 

青山実花

yonta*さん
コメントありがとうございます

はい(きっぱり(笑))。
私は、大変な賞を取った映画だと聞かされると、
身構えてしまって、ますますわけが分らなくなるという悪循環。
たとえばこの映画にしても、
スリランカに難民なんているの!?という、
基本的な事さえまるで分かっていない。
スリランカといえば、紅茶しか知らないよ、って感じで、
そんな者が、内容を完全に理解しろという方が無理なのかも
しれません^^;

それから、褒めていただいたから書くわけではなく、本当に、
私もブログやメールで読ませていただくyonta*さんの
映画の感想には、いつもハッとさせられます。
私が見過ごしていた場面や、
あまり深く考えなかった場面に言及されて、
あ、そうか!と思わされた事が何度あった事か^^
これからも、ずっと仲良くしてくださいね。
そして、また一緒に映画に行きましょう♪

by 青山実花 (2016-02-21 15:10) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます

今、この映画のチラシが手元にあるのですが、
その裏には、各界著名人による、
映画を絶賛するコメントが多数印刷されていて、
「凄い映画なんだなー」と、
まるで他人事のように思ってしまっています^^;

本当にいつもいつも思うのですが、
こんなワガママで手前勝手な与太ブログを
読んで下さる方がいる事が申し訳なくて、
お一人お一人にお礼と謝罪を言って回りたいような心境です。

本当に日本は平和ですね。
世界が揺れ動いているのは分かってはいても、
島国のおかげもあって、
そこまで深刻にはならない。
昔は「島国根性」などと、自虐的に言った事もありましたが、
今は、「島国で良かった~」と胸をなで下ろしている方が
私を含め、多数おりましょう。

「遠くの難民より、日本の平和」
申し訳ないのですが、これが私の本音でございます。

あ~、
「デビルマン」は観たくてたまらない映画の1本です。
もうずっと前から言っているのに、実行していません。
いつかそのうち、絶対観ます!

by 青山実花 (2016-02-21 15:33) 

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