「母」 [映画]
〔1958年/日本〕
戦時中、家族で田舎に疎開した湯浅家だったが、
主の仙吉(見明凡太朗)は、長男・良太郎(根上淳)が
戦死したと思い込み、意気消沈、
東京に帰る気力もない。
仙吉は、良太郎の他に4人の子供がいたが、
良太郎だけを頼りにし、
特に、やんちゃな三男の栄三には冷たく当たる。
仙吉の妻・きよ(三益愛子)は、そんな栄三を不憫に思うが
どうする事もできない。
そんなある日、良太郎が復員してきた。
仙吉は、大喜びで、
やっと東京へ帰る元気が出てくる。
10年後。
仙吉は小さな工場を経営。
良太郎は弁護士に、
次男の清二は画家に、
栄三(川口浩)は大学生になっていた。
しかし、仙吉の工場は上手くいかず、
内情は火の車。
栄三は、アルバイトをして学費を稼ぐが、
仙吉は相変わらず彼を嫌い、
他の兄弟にはかける優しい言葉を、
彼にだけはかけない。
いよいよ、工場の経営が危なくなり、
仙吉が保険金目当てに、家に火を付けてしまう。
ちょうど家に帰った栄三は、
火を消そうとするが全焼。
栄三は、自分が放火したと自供し、
逮捕されてしまう・・・。
女優・三益愛子さんには、
「母もの」というシリーズがあったらしく、
この映画は、
30作目の記念作との事だ。
そのせいか、
メインの登場人物以外のゲストが
豪華すぎ。
若尾文子さん、京マチ子さん、山本富士子さんの
大映3大女優が、
ほんの数分登場したり、
志村喬さんや、菅原謙二さんなども、
チョイ役で出ている。
物語は、母役の三益さんと、
実の息子の川口浩様が、
親子役で共演していて、
それだけで嬉しくて。
ここに載せた写真も、
浩様の可愛い横顔と、
彼を可愛くて仕方ないと思う、
三益さんの愛で溢れている(ように見える(笑))。
浩様演じる、三男の栄三が不憫で不憫で、
泣けてくるわ。
彼はやんちゃではあるけれど、
その行動にはちゃんと理由がある。
なのに父親は、彼の言い分を聞こうともせず、
悪い人間だと決め付ける。
兄弟たちの前で、
いつも栄三を罵倒するもんだから、
いつしか、兄弟たちの中にも、
栄三なら馬鹿にしてもいい、
軽んじてもいい、みたいな空気が流れている。
この兄弟たちが仲良くなれないのは、
この親父のせいだと私は思う。
私は、力で家族を押さえつけるような
暴君の男は大嫌いだ。
それでも浩様は、
親父の放火を、
自分が犯人だと言って、
身代わりに刑務所にまで入るのよ。
可哀相すぎ。
こういう親父は、
そこまで行き着かないと、
自分の間違いに気付けないのかしらね。
評価 ★★★☆☆
この作品で、
若尾文子さんの映画、160本中100本を観た事となりました。
多いようだけれど、それってまだ62.5%。
7割にも達していない。
全制覇目指して頑張ります。
(★は観た作品)
★春の雪 (2005)
竹取物語 (1987)
ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
幸せなら手をたたこう (1964)
悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
素敵な野郎(1961)
鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
花の大障碍 (1959)
次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
螢火 (1958)
東京の瞳 (1958)
妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
慕情の河 (1957)
続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
銀河の都 (1957)
君を愛す (1956)
四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
スタジオは大騒ぎ (1956)
あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
虹いくたび (1956)
新妻の寝ごと (1956)
花嫁のため息 (1956)
薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
緑の仲間 (1954)
浅草の夜 (1954)
慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
十代の誘惑 (1953)
無法者 (1953)
続続十代の性典 (1953)
春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
続十代の性典 (1953)
チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
彼女の特ダネ (1952)
街の小天狗 (1952)
秘密 (1952)
明日は日曜日 (1952)
花嫁花婿チャンバラ節(1952)
母子鶴 (1952)
猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
記念すべき100本達成ですネ^^
あと60本しかなくなりましたね。
って、これからが大変かも??
by Mitch (2015-12-08 19:41)
ウチの母も若尾文子が好きだった様です?!
不信のとき (1968)、砂糖菓子が壊れるとき (1967)は、
観たかも知れないけど定かでは有りません。
母の名前は「あや」と云いましたが、父には「あや子」と呼ばせていました。
父と母はあんまり仲が良くなかったのですが、父がご機嫌な時、
母の好きな所は、『鬢が長い処が若尾文子に似て居る事だ』と
言っていた事でしたo(*^▽^*)oあはっ♪
あくまでも『鬢』だけなんです、顔は『おへちゃ』です(。・w・。 ) ププッ
*「おへちゃ」とは、平面な顔で、垢抜けないブスのことです。
もっと父や母の若い時の話を聞いて置けば良かったなぁ~と、
実花さんの古い映画の記事を見てつくづく思います。
by 薔薇少女 (2015-12-08 23:31)
100本、達成、おめでとう!!
これからも是非この調子で!!
by 向日葵 (2015-12-09 04:05)
Mitchさん
コメントありがとうございます
そうなんです、これからが大変です^^;
あと20本くらいは、ソフトが現存している事が分かっているので、
なんとかなりそうなんですよ。
名画座にかかるのを気長に待つか、
借りるか、買うかすればいいので。
でも、それ以外は、フィルムがあるのかどうかさえ分からなくて。
国立フィルムセンターにないのかな。
あるなら出してほしいです~。
by 青山実花 (2015-12-09 08:31)
薔薇少女さん
コメントありがとうございます
お母様も若尾さんのファンでしたか。
昔は大映の大スターだったようですので、
有り得る話ですね♪
お母様、「あや」さん!可愛い♪
若尾さんにあやかって「あや子」と呼んでほしかったのでしょうか。
今の世代なら、「あや」の方が可愛い気もしますが^^
子供の目からは、そう仲良しには見えなくても、
きっとお父様はお母様の事を大好きだったのだと思います。
だって「若尾さんに似ている」なんて、
お世辞でも言いませんよ。
お母さんは本当にお綺麗な方だったのだと想像します。
私も今の80代90代のかたのお話をうかがいたいです。
戦争の事や、日常の事や、映画の事も。
なかなかそういった機会もないのですが。
by 青山実花 (2015-12-09 08:37)
向日葵さん
コメントありがとうございます
ありがとうございます。
頑張ります!
私の一生の目標としていきます^^
by 青山実花 (2015-12-09 08:38)
おっ!さらに☆マーク追加!。
ひとつずつ目標に近づいております!。
若尾文子さんほどの有名どころでも、
再見困難な作品が・・・。
以前、萬屋錦之介さんファンの方の
ブログを読ませていただきましたが、
有志で資金を出し合ってプリントを焼いてもらったり、
ご苦労されている様子。
錦之介さんでもネガがなくって、
観られない作品もあるとか・・・。
残り60本!まさにライフワーク!、
観るまで死ねない(笑)。
by 裏・市長 (2015-12-09 09:26)
裏・市長さん
コメントありがとうございます
そうなんです。
フィルムがあるのかないのか分からない作品も多くて。
萬屋錦之介さんの年齢を調べましたら、
若尾さんと1つしか違わないんですね。
やはりファンの方は、フィルム探しにご苦労されていますか。
いずこも同じなんですね・・・。
はい、観るまで死ねませんよ(笑)。
私も名画座にリクエストしたり、
若尾文子さん活動、頑張ります。
by 青山実花 (2015-12-14 22:38)
こんばんは。Windows10にしたら、ブログのniceやコメントを入れられなくて今日に至りました。
角川シネマ新宿「若尾文子映画祭青春」と銘打った三つ折りチラシが手元にあるのですが…(12/26~1/15 35本上映なのですが、今年のことかな。それとも青山実花さんはこれをご覧になったのかな)
by sig (2015-12-22 22:07)
sigさん
コメントありがとうございます
その後、PCのお具合はいかがでしょう。
Windows10はあまり良くないのかな。
26日から始まる「若尾文子映画祭」は、
夏に行われた映画祭の評判が良かったおかげでの、
アンコールイベントです。
当然、初日に若尾さんの舞台挨拶2回は
予約を入れています^^
しかも、未見の作品が35本中10本も入っているのですよ!
楽しみで仕方ありません。
sigさんもお時間がありましたら、
1本でもご覧になってみてはいかがでしょう♪
by 青山実花 (2015-12-22 23:58)