「女の暦」 [映画]
〔1954年/日本〕
小豆島で暮らす日向家の、
四女・クニ子(杉葉子)と
五女・実枝(香川京子)は、
全国各地で結婚生活を営む3人の姉たちを呼び、
両親の法事をしようと決める。
長女のミチ(田中絹代)は、
広島で5人の子供を育てる貧しい暮らし。
次女のカヤノは、
大阪で吝嗇家の夫に苦しめられている。
三女の高子は、
夫が労働運動の疑いで留置されている。
3人はなんとか時間を作り、
小豆島に帰ってきて、
夜は宴会となるが、
夫の愚痴ばかり聞かされたクニ子と実枝は、
結婚というものを考えてしまう。
実は実枝には、
結婚を約束した青年がおり、
宴席で、姉たちにそれを告白する。
すると、なぜか姉たちはドッと笑い、
実枝はすっかり気分を害してしまう。
また、あれほど仲が悪いと思われていた、
カヤノの夫が、大阪から駆けつけ、
満更でもない様子のカヤノを見ると、
一体結婚とは・・・と、
クニ子たちはますます混乱してしまう・・・。
小豆島を舞台に、
法事で集まった5人姉妹の様子を描く佳作。
結婚している上3人の姉たちは、
傍目に見ると、
どうしても幸せそうには見えない。
そんな姉たちに、
教師を生業とするクニ子は、
生活力がある自信もあり、
さらさら結婚する気にはなれないらしい。
けれど、そこは夫婦の不思議。
姉たちは、なんだかんだ言っても、
やっぱり夫を愛している事が伝わってくる。
愛しているというのは大げさかな、
なんというか、夫婦の情愛とでもいうのか、
腐れ縁みたいなものか。
その辺りはまた、
未婚の妹たちには理解できない。
まぁ、当然の事なのだけれど。
実枝と恋人の逢い引きの場面で、
2人の仲の良さにはビックリ。
彼女は恋人が横たわる広場のような所で、
彼の太腿を枕にして一緒に横たわるのよ。
1954年当時、
人通りもあるそのような場所で、
そんな風にイチャつくカップルがいたんだと、
ちょっとしたショック(笑)。
いや、私が勝手に古い時代と思い込んでいるだけで、
案外、世の中はもう大らかだったのかな。
宴会で、姉妹と、親戚のおじさんたちが、
昔話で盛り上がる場面が楽しい。
そこにいる全員が嫌味なく、
思い出話を語る。
そういうのって楽しくて大好き。
誰かが覚えている事を話すと、
「そういえば、そんな事があったかも」なんて、
自分の記憶を辿る事もできるしね。
コメディ映画ではないけれど、
なんだか楽しくて、
劇場内からは笑い声が聞こえた。
良い物語だった。
評価 ★★★★☆
昔でも今のように人前でイチャつくカップルがいたんですか~
イメージでは昔の人はそんなことしないと思っていましたけど。
by 原みつる (2015-11-25 20:19)
>そんな風にイチャつくカップルがいたんだと
全然違う話だけど・・・('-';A エーット,,アノォ..ソノォ...
子供の頃、夜中にトイレに行きたくなって両親の寝ている場所を
通らなくちゃトイレに行けない狭い家だったので、
≪そういう雰囲気?≫を感じるとトイレに行けず、
猫の額より狭い庭の片隅で済ませてました、嫌だったなぁ~Y(>_<、)Y
by 薔薇少女 (2015-11-27 00:17)
原みつるさん
コメントありがとうございます
私も驚きました。
しかも男性の太腿を膝枕にするって、
相当ですよね^^;
by 青山実花 (2015-11-28 15:39)
薔薇少女さん
コメントありがとうございます
確かに親は親であって、
男とか女とかでは決してないですものね。
やっぱりそのような状況になると困りますね。
もちろん、親でなくても、
そんな雰囲気のお部屋を通るのは
憚られますが^^;
by 青山実花 (2015-11-28 15:41)