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「夜の鼓」 [映画]

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〔1958年/日本〕


鳥取藩の小倉彦九郎(三國連太郎)は、
1年2カ月の参勤交代後、
帰郷する。
愛妻・お種(有馬稲子)や子供たちに会いたくて、
はやる気持ちを抑えきれない。


ところが、帰郷した彦九郎に、
周囲の者の様子が何かおかしい。
その理由を知って、彼は驚く。
なんと、お種と、鼓の師匠である宮路源右衛門(森雅之)の不義密通が、
家中に知れ渡っていると言うのだ。


彦九郎はお種を問い詰めるが、
そのような事は絶対にないと言う。
それを聞いて安心した彦九郎。


その噂を流した磯部床右衛門を呼び出し、
斬りかかろうとすると、
磯部が意外な事を言い出した。
自分は、お種と源右衛門が通じ合っているのを、
この目でハッキリ見たのだと・・・。





近松門左衛門原作。


妻に不義密通の噂があり、
「知らぬは旦那ばかりなり」、の状況の中、
夫の側から、
それを確かめるという流れが、
今まで観た近松の映画と違っていて、
面白い。


映画や小説の中の秘密って、
なんでこんなに面白いんだろう。
主人公がそれを知った時の顔を想像すると、
ワクワクワクワクしてしまう。
それって、私の性格が悪いんだろうか。
それとも、人間が元来持っている本能?


話はまるで「藪の中」といった趣で、
各人の言い分が、
少しずつ違っているのが、
ちょっとしたサスペンスタッチで、
早く真実が知りたくてたまらなくなる。


結末はやはり書かない方がいいと思うので、
書かないけど(笑)、
意外な感じはなく、
そっか、そうなのね、って感じ。


今でこそ、
不倫なんて、どこにでも転がっている話だけれど、
この時代の不義密通って命がけ。
それでもしてしまうってんだから、
人間は誘惑に弱いというか、
性欲には勝てないというか(笑)。


お種役の有馬稲子さんがめっちゃ綺麗。
眉毛を落して、
あれほど美しい人って、あまりいないんじゃないかしら。


評価 ★★★★☆

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