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「この子の七つのお祝いに」 [映画]

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〔1982年/日本〕


ある夜、大蔵大臣の秘書・秦一毅(村井国夫)の家で
家政婦をしていた女・良子が殺された。
良子は、占い師「青蛾(せいが)」の
正体を知っているため、
口封じをされたらしい。


「青蛾」の手相占いはよく当たると評判で、
政界の重大事を決める時、
政治家たちが、自分の手形を押した手形を持参し、
「青蛾詣」をするとされ、
国家をも動かす力があると言われている。


「青蛾」について調べていた、
フリールポライターの母田耕一(杉浦直樹)は、
良子の取材を目前に控えていたため
悔しがり、
良子を殺した犯人こそが、「青蛾」だと確信する。


母田の仕事ぶりを尊敬する後輩・須藤洋史(根津甚八)は、
母田を行きつけのスナックに連れてゆき、
「青蛾」についての詳しい話を聞く。


スナックのママ・ゆき子(岩下志麻)は、
不思議な魅力の持ち主で、
幼い頃、母親に自殺されたという
辛い記憶の持ち主であった・・・。





原作は、ずいぶん前に読んだ。
細部は覚えていないけれど、
「血」、「占い師」、「政界」などのキーワードは
忘れていなかったので、
記憶のパズルがハマっていくようで、
そういう意味で、
観ていて、ちょっと楽しかった。


細かい部分が気にならないかと言えば、
嘘にはなる。
例えば、犯人は、
中学生の頃から手形に興味を持ち、
研究を重ねているはずなのに、
ラストで根津甚八に指摘されるまで、
自分の手形は見た事もなかったような風で、
それはないんじゃない?って。


それから、
まぁ、よくある事だけど、
登場人物たちの世間が狭すぎる。
偶然知り合った人が、
事件の重要人物だったり、
そんな可能性は、
ほぼ無いと思われる場面が数箇所。


「虐待」について、
考えさせられる映画でもある。


「虐待」には色々な種類があって、
肉体への暴力や、言葉の暴力、
無視やネグレクトなどが、
まず頭に浮かぶけれど、


母親が、
特定の人物を名指しして(この映画の場合、子供の父親)、
毎日毎日、
「あの人は、私とお前を捨てたのよ」
「必ず復讐して」と、
繰り返し聞かせ続けるのも、
虐待の一種なのではないかと。


そのせいで、
子供の心は洗脳された状態となり、
それを実行する以外には、
人生の目標を持たなくなってしまう。
もちろん、現実には、
そう上手くいくとは思えないけれど、
少なくとも、
子供の心に良い影響があるとは思えない。


政治を動かす占い師の存在は、
私も聞いた事があるのだけれど、
本当なんだろうか。


それは日本だけではなく、
アメリカなどにも存在し、
何かに迷った大統領までもが、
占星術師に相談に行くとの噂を
聞いた事がある。


都市伝説だったらいいけど、
占いで国の進む方向を決められるのは、
わたしにはちょっと抵抗があるなぁ。
まぁ、人間なんて、
その程度のものだと言われれば、
そうなのかもしれないけど。


評価 ★★★☆☆

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コメント 4

薔薇少女

根津甚八、素敵な俳優さんでした。
11年ぶりに映画2015『GONIN サーガ』に一度きりと云う事で
復帰されたらしいです。
人間いつどういう事になるか解りません・・・
by 薔薇少女 (2015-08-10 17:05) 

hatumi30331

見た事ある映画。
古いけど・・・凄い映画!
未だにインパクとあって忘れへんよ。

by hatumi30331 (2015-08-11 00:56) 

青山実花

薔薇少女さん
コメントありがとうございます。

根津甚八さんは、
向田邦子さんも大変に気に入っていた
俳優さんだったそうですね。
素敵な方です。

ずいぶん前から体調がお悪いと聞いています。
素晴らしい俳優さんなだけに、
一度だけの復帰というのは勿体ないですね。
なんとかまた、以前のようにご活躍されるといいのですが。。。
by 青山実花 (2015-08-12 00:18) 

青山実花

hatumi30331さん
コメントありがとうございます。

本当にインパクトのある映画ですね。
私は、あの血まみれのお布団が・・・
う~~、考えただけで鳥肌が^^;
by 青山実花 (2015-08-12 00:20) 

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