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「心の日月」 [映画]

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〔1954年/日本〕


岡山の実家で無理矢理結婚させられそうになった
若尾文子は、
家を飛び出し、
東京に住む同郷の恋人・菅原謙二の学生寮に
電話をかける。


飯田橋で待っていてくれと言われた若尾だが、
菅原は、何時間経っても姿を現さない。
それもそのはず、
飯田橋には出口が2つあり、
2人は別々の出口で、互いを待っていたのだ。


諦めた若尾や、
知り合いのバーのマダム・水戸光子の所に泊まりながら、
社長秘書の仕事に就く。
社長・船越英二は、
美しく、そして気配りのできる若尾に惹かれてゆく。


しかし、船越の妻に嫉妬された若尾は、
妻の一存で解雇されてしまい、
今度はデパートのハンカチ売り場で働き始める。


ある日、友人と映画に行った若尾は、
同じ映画を菅原が観ている事に気付き・・・。





「若尾文子映画祭」で上映された1本。


「あぁ、ケータイさえあれば」と、
古い映画を観ると、そう思う事があるけれど、
これも、その典型的な1本。


飯田橋で待ち合わせをしておきながら、
全く会えない恋人同士。


しっかし、ケータイの有無を差し引いても、
菅原謙二の鈍臭さには、ちょっとイライラさせられる(笑)。
だって、若尾さんは、
東京に初めて来た、右も左も分からない女の子だから
仕方がないとして、
せめて菅原は、
飯田橋の駅の周りを一周するくらいの
気を利かせてもいいんじゃない?
ぼんやり同じ場所に立ってるなんて、信じられない。


逢瀬が叶わず、
場面が変わると、
いつの間にか、
社長秘書の職を得ている若尾さん(笑)。


そう、この映画の若尾さんは、
どこまでも清らかで、
とっても可愛い。
社長秘書⇒ハンカチの売り子
と、清純路線(笑)。


実は途中で、
マダムのパトロンのおっさんに騙されて、
貞操の危機になる場面がある。
「それだけはやめてほしい」と、
ちょっと手に汗握ったけど、
なんとか逃げ出せてホッとする。
ああいった気持ちの悪いおっさんは、
なぜ絶滅しないんだろう。
嫌がる女を自由にして、何が楽しんだろう。


その後も、菅原と、
何度も偶然出会ったり、
ほんの数秒の差で、
すれ違ってしまう若尾さん。
絵に描いたようなメロドラマ。


私としては、
鈍臭い菅原より、
金持ちで、紳士で、優しくて、
さらに、妻との離婚が成立しそうな船越英二と
結ばれるのも面白いかも、
と思ったけれど、


この手のお話は、
やはり初恋の相手と結ばれるのが
お約束のようで(笑)。


評価 ★★★☆☆

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