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「恋の渦」 [映画]

koinouzu.jpg
〔2013年/日本〕


同棲中のカップル・コウジとトモコの部屋に、
数人の男女が集まり、パーティが始まろうとしている。
目的は、恋人のいないオサムに、
トモコの友達のユウコを紹介するためだ。


しかし、部屋に入って来たユウコを見て、
男たちは絶句する。
ユウコがあまりに「ブス」だったせいで。
そのせいで、なんとなく場は白け、
盛り上がらないまま、解散となる。


ところが、オサムは帰り道ユウコを自分の部屋に誘い、
一線を越えてしまう。
また、コウジは、
場を盛り上げなかったトモコを激しく責め、
トモコは謝るしかない。


参加者のユウタとタカシは
男同士でルームシェアをしている。
タカシは、パーティに来ていたカオリを気に入り、
今から電話して告ると宣言。
けれど、なぜかユウタは浮かない表情になる。


同じく参加者で、
同棲しているナオキとサトミ。
ナオキはサトミを深く愛していると言うが、
実はカオリと浮気している。
サトミがいるから、自分は浮気ができるのだと、
ミョーな屁理屈をこねながら・・・。





これはリアル。面白い。
今時の、「ある種」の若者の実態を
まるで隠しカメラで撮ったみたいに、
生々しく見せてくれる。


「ある種の」と書いたのは、
ここに出てくる若者たちは、
ジャケットに「DQN」と書かれているように、
何というか、そう表現する以外にないような人たちばかりで、
特に主人公のコウジなどは、
27歳にもなって、
出会い系サイトのサクラを生業としているという、
「それってどうなのよ」感丸出しの男で。


しかも、彼にはDVの気があるようで、
ほんの些細な、どうでもいい事で、
同棲しているトモコを責める。
そのトモコは、
恋愛依存体質のようで、
コウジから、どんなに理不尽な事を言われても、
彼に嫌われたくない一心で、
泣きながら謝るという、
最悪のドツボにはまってしまっている。


傍から見ていると、
「トモコちゃん、世の中には
あなたを大切にしてくれる男がきっといるよ」、と言いたくなるけど、
本人が気付かなければ、どうする事もできない。
ただ、この映画では、
愉快なオチが待っているけれど。


他の男女も、
似たりよったりかなぁ。
類友ってやつですかね。
そんな彼らの絡み合った人間関係が、
徐々に明らかになって、
2時間以上の映画なのに、
全く目が離せない。


こんな彼らは、
40代、50代になると、
どんな大人になるんだろう。
案外、
「今時の若い者は」なーんて、
自分の事は棚に上げて言っていたりして(笑)。
そんな未来を想像するのも楽しい。


評価 ★★★★☆

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desidesi

門脇麦と池松壮亮の映画「愛の渦」と同じ三浦大輔さんの脚本ですね。
どちらもまだ観てないですが、
こちらはかなり短期間・低予算で撮られているということで、
それはそれで、逆にリアリティがあるのかな〜♪ (๑◔‿◔๑)
by desidesi (2015-08-06 18:52) 

青山実花

desidesiさん
コメントありがとうございます。

「愛の渦」、あれはあれで、
大変に楽しめました^^;

なるほど、「恋」の方は低予算ですか。
俳優さんも、私の存じ上げない方ばかりなので、
余計にリアルだったのかもしれません。
「愛」も「恋」も、desidesiさんにもぜひ観てほしいです。

by 青山実花 (2015-08-11 23:55) 

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