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「あの手この手」 [映画]

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〔1952年/日本〕


大阪在住の大学助教授・森雅之は、
妻・水戸光子に頭が上がらない。
何せ光子は、学校で講師をする傍ら、
新聞の身の上相談の回答やら、
婦人同盟の役員やら、
様々な仕事をこなす、スーパーウーマンなのだ。


そんな彼らの家に、
光子の姪の久我美子が家出してくる。


久我は、田舎の風習に辟易する現代娘で、
彼女の出現により、
かろうじて均衡を保っていた、
森たち夫婦の関係が、
なにやらおかしなものになってゆく。


久我を実家に帰すため、
付き添って三重まで行った森だが、
逆に彼女を押し付けられ、
仕方なく2人で大阪に逆戻り・・・。





おきゃんな(死語?)久我美子、炸裂。


彼女はまぁ、とにかく元気。
そして可愛い。
夫婦だけで暮らす森雅之の家に
突然やって来た、
小さな台風みたいだ。


そんな久我に、
説教をたれる水戸光子に、
反論する久我のセリフが笑える。
「叔母様は、私の人生相談に、新聞紙上で答えてくださった」と。


絶句する水戸さん。
まさか姪に、人生の訓示を垂れていたとは。
つまり人は、
他人になら、どうとでも言える事でも、
身内の事となったり、
自分に問題が降りかかったりすると、
建前だけでは済まないという事よね。
そういった事って、
日常生活でも、
しょっちゅう感じる。


それから、森の友人の奥さんで、
とっても嫌な感じの女性・望月優子がいて、
森の書く小説の、
主人公の嫌な女のモデルは水戸じゃないかと、
わざわざ言いにきたりする。


ショックを受けた水戸が、
森にそれを質すと、
「あの小説のモデルは、強いて言えば望月だ」と言う。


それも日常で、よくある事だわ。
みんな自分の事となると分かっていない。
私も気を付けなくっちゃなぁ。


評価 ★★★☆☆

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