「女優と詩人」 [映画]

〔1935年/日本〕
童謡詩人・月風の暮らしは、
女優の妻・千絵子の稼ぎで支えられている。
彼は当然、千絵子に頭が上がらない。
今日も千絵子は、俳優仲間を家に呼び、
芝居の稽古に余念がない。
月風は、千絵子と仲間に言いつけられ、
煙草の買いに行かされる。
途中で友人の能勢に会った月風。
能勢は家賃を滞納し、
住む家に困っている事を知る。
ある日、千絵子が月風に、
夫婦喧嘩の芝居の練習をしたいから、相手役をしてほしいと頼み、
稽古が始まる。
そこへやって来た能勢は、
2人が本当に喧嘩をしていると思い、止めに入る。
能勢はついに下宿を追い出され、
月風の家に居候させてほしいと頼みにきたのだ。
勝手にOKしてしまった月風に、
怒った千絵子。
本物の夫婦喧嘩が始まった・・・。
成瀬巳喜男監督の80年も前の古い映画。
稼ぎのない夫と、
生活を支える女優の妻の生活を描いたコメディ。
メインは、
夫婦喧嘩の芝居の稽古をしていた夫婦が、
本物の喧嘩に発展する場面であろう。
脚本を手に話していたセリフが、
喧嘩でソックリ繰り返されるのが可笑しい。
これって、現代でもコントにありそうな場面で、
ずっと昔からあった笑いが、
今の笑いに繋がっているんだなぁと、
ちょっと感慨を覚える。
私はこの夫婦よりも、
夫婦の隣家に住む主婦に、
大変なシンパシーを感じた。
なぜならこの主婦、
隣の女優が気になって仕方ないようで、
なにかと、お節介を焼いてくる。
大根を煮たのを持っていったり。
分かるなぁ(笑)。
もしも家の隣に有名女優が住んでいたら、
超が付くミーハーの私の事だから、
絶対意識しちゃうと思う。
まぁ、意識していると知られるのは恥ずかしいから、
大根は持っていかないけどさ(笑)。
BGMに、
「靴が鳴る」や「雀の学校」などの童謡が流れるので、
私は主人公が、これらの歌の歌詞を書いた、
実在の人物なのかと思ったけれど、
おそらく関係ないのであろう。
きっと昔はその辺もユルかったというか、
自由だったんだろうなぁ。
評価 ★★★☆☆
昨日、この作品と同時期(1936年)の「赤西蠣太」を観ました。
失礼ながら、もしかしたら退屈かも、とか思いつつ^_^;
でも、今のドラマや映画にもあるようなシーンや、
テンポのいい繰り返しのシーンもあり、ユーモアも古くなくて。
音楽の使い方もおしゃれで、びっくりしました。
なんだかこちらの青山さんの感想をマネしているみたい(笑)ですが、
やっぱり古い映画、あなどれない!とあらためて思いました。
この作品も観てみたいです(^^)
by yonta* (2015-07-03 23:54)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
「赤西蠣太」は未見ですが、
本当に評価の高い映画ですよね。
う~、観たいです~^^
なるほど、やはり評判どうりなのですね。
古い映画というだけで、
敬遠される方もいるけれど、
本当に勿体ない事だと思います。
先人が残して下さった作品を観ずにいるなんて、
美味しいご馳走を食べずに捨てている感じで。
(ちょっと違いますか^^;)
この映画も、機会がありましたら、
ぜひご覧になってみてくださいね。
by 青山実花 (2015-07-05 20:34)