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「ホタル」 [映画]

hotaru.jpg
〔2001年/日本〕


特攻隊の生き残りである山岡(高倉健)は、
現在は妻・知子(田中裕子)と2人で、
鹿児島の知覧でカンパチの養殖をしている。


昭和天皇が崩御し、
時代が平成に変わった頃、
戦友で、やはり特攻隊の生き残りの藤枝が、
青森で死んだ事を知り、
あらためて、戦争について考える山岡。


実は知子は、
山岡の戦友で、朝鮮籍の金山と結婚の約束をしていた女で、
金山が特攻兵として死んだあと、
山岡と結婚したのだ。
その知子も、今は腎臓を患い、
余命1年半と宣告されている。


そんな山岡は、
かつて「知覧の母」と呼ばれた、食堂の女主人・富子から、
金山の遺品を韓国の遺族に届けてほしいとの
申し出を受ける。


複雑な心境の山岡だったが、
知子の残り少ない命を思い、
2人で韓国に出向く。
しかしそこで待っていたのは、
金山の遺族からの激しい罵倒だった・・・。





もうまったく、予備知識ゼロで観た映画。
タイトルからも、内容は想像つかなかったし。


泣いた。
ものすごく。
ただそれは、映画で泣いたのではなく、
途中で挿入された、
おそらくアメリカ軍が撮影したのだと思われる、
特攻隊の映像。


自分の飛行機に爆弾を積み、
敵の船に体当たりしようと飛び立った特攻隊は、
実は殆どが迎撃され、
目的を完遂する前に、
海に沈んでいったと言う。


「くだらないくだらないくだらないくだらないくだらないくだらない
 戦争は本当にくだらない」
頭の中でその言葉だけがグルグル回る。
特攻隊員たちの殆どは、
まだ10代20代の若者。
彼らの家族、特に母親は、
どんな気持ちでいたのだろうかと考えると、
泣かずには観られない。


やはりクライマックスは、
高倉健と田中裕子が、
韓国へ行き、
戦友の遺族と対面する場面であろう。


このような映画で海外ロケがあるとは思ってもおらず、
少し驚いたし、
知ってはいたけれど、
韓国側の、日本への気持ちを
まぁ、再確認はしたけれど・・・


・・・これ以上は書くまい。
私は原爆を落とされても相手を許し、
過去を水に流せる日本人に生まれた事を
誇りに思うよ。


評価 ★★★☆☆

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コメント 6

sig

私も特攻隊のニュース映画を観ると、もうだめです。見る画面はいつも同じものなんですけどね。何回見ても・・・
by sig (2015-05-19 14:06) 

向日葵

>私は原爆を落とされても相手を許し、
>過去を水に流せる日本人に生まれた事を
>誇りに思うよ。

いたく同感です。。

by 向日葵 (2015-05-20 03:52) 

MONSTER ZERO

私もこの作品は、昨秋健さん逝去に伴う追悼映画をCSで放送した際に
初めて観ました。
韓国でのシーンもそうですが、なにより奈良岡朋子さん素晴らしさにも
涙しました。
高倉健さんでなければ出来ない作品だと思います。
by MONSTER ZERO (2015-05-20 15:51) 

青山実花

sigさん
コメントありがとうございます。

戦争の映像がどれも悲惨なのは
当たり前なのですが、
特攻隊の哀しみは、
特に心にきますね。
あのような事を二度と繰り返しては駄目だと
強く思います。
by 青山実花 (2015-05-22 22:46) 

青山実花

向日葵さん
コメントありがとうございます。

あ、良かったです。
ちょっと怒られそうな発言かなと思ったのですが、
書かずにはいられませんでした。
by 青山実花 (2015-05-22 22:47) 

青山実花

MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。

奈良岡朋子さん、良かったですね。
奈良岡さんの役の女性は、
実在したとか。
どんなお気持ちで若者を見送っていたのか・・・。

寡黙な高倉さんが、
特攻隊の生き残りという設定にピッタリ合い、
映画に説得力を持たせていましたね。

by 青山実花 (2015-05-22 22:53) 

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