「ひとごろし」 [映画]
〔1976年/日本〕
若侍・六兵衛(松田優作)は、
越前福井藩きっての臆病者。
彼の駄目っぷりのせいで、
妹・かねまでが縁談もなく、
とばっちりを受けている始末。
一方、城では、
武芸の指南役として仁藤昂軒(丹波哲郎)という男が雇われる。
仁藤の武芸の腕は完璧で、
彼に敵う者はいなかったが、
嫉妬もあり、評判は良くない。
このままでは仁藤にしてやられるばかりだと、
加納(岸田森)をリーダーとする侍たちが結束して彼を闇討ちするが、
逆に返り討ちに遭い、
全員、殺されてしまう。
加納を可愛がっていた藩主は怒り、
藩を出た仁藤を上意討ちする者を募集する。
誰もがしり込みする中、
なんと、六兵衛が立候補し・・・。
これから、この映画を観るかたがおられるなら、
もう絶対、音楽に注目してほしい。
といっても、音楽が素晴らしいというのではなく、
どう聞いても、刑事ドラマのBGMで、
それが可笑しくて。
画面を見なかったら、
殆どの方が、刑事物だと思うんじゃないかと思うくらい(笑)。
調べてみると、
松田優作が「太陽にほえろ」を終えたのが1974年なので、
その2年後の作品であるこの映画は、
どうしても、そういう風になってしまったのかもしれない。
まぁ、ただ単に、
当時の邦画のBGMのセンスが、
その程度のものだったのかもしれないけど。
ただ、松田優作のキャラは、
かっちょいい刑事物とは全く違う。
天才的な武芸の達人・仁藤を追いかけ、
上意討ちを狙う、松田扮する六兵衛だけれど、
ヘタレの彼に勝てる見込みがない事は一目瞭然。
なので、彼は、
ある作戦に出る。
それは、どこまでもどこまでも仁藤に纏わりつき、
彼が行く先々の、
旅館や、食堂や、茶屋で、
「人殺しー!みなさーん、この人は人殺しですよーーー!」と、
大声で周囲の人に触れ回るという方法。
人々は慌てふためき、
蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
これが意外と、仁藤の心を
ジワジワと締め上げる効果があって、
だんだん弱ってくるのが分かる。
それなりに面白い話だった。
ところで、
山本周五郎原作のこの物語を、
コント55号も、
「初笑いびっくり武士道」というタイトルで映画化している事を
今、知った。
何、その私の好きそうな映画は(笑)。
観たい観たいー。
近いうちに絶対に観るぞ。
評価 ★★★☆☆
2015-05-02 12:00
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コメント(2)
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図書館で借りて、観る時間無くて返却した映画です~
BGM気になるし、また借りてこようっと(^_^)
by mitu (2015-05-03 07:27)
mituさん
コメントありがとうございます。
図書館にある映像ソフトは、
無料だし、結構いい作品が揃っているし、
利用しないと損ですよね。
この作品も、ぜひぜひご覧になってみてくださいね。
by 青山実花 (2015-05-07 20:22)