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「ラジオ・フライヤー」 [映画]

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〔1992年/アメリカ〕


1969年。
両親が離婚し、母と一緒にカリフォルニアに越してきた
マイク(イライジャ・ウッド)とボビー(ジョゼフ・マゼロ)の兄弟は、
地元の友達になかなか馴染めず、
2人だけの世界を築いてゆく。


母が再婚し、これで落ち着くかと思われた生活だが、
継父は、ボビーに虐待し始める。
母に心配をかけまいと、
その事を言えない兄弟に、
継父はますます図に乗ってくる。


2人は、町はずれの「お願い山」で、
昔フィッシャーという少年が自転車で加速を付け、
空を飛んだという伝説を聞いており、
いつか自分たちも、という夢を持つようになる。


そんな中、継父の虐待がエスカレートした事から、
母はそれに気付く。
彼は逮捕され、
しばらくは平穏な日が続くが・・・。





イライジャ・ウッドとジョゼフ・マゼロが演じる兄弟愛と、
辛い現実に、ほんの少しファンタジーの要素が混ざった秀作。


冒頭に出てくるのは、
大人になったマイクという設定のトム・ハンクス。
彼が、自分の2人の息子に語るのが、
自分の子供時代の物語、というわけだ。


マイクとボビーは、
何をするにも2人一緒。
その仲の良さは大変に微笑ましく、可愛い。
もしかしたら、それは、
共通の敵(継父や近所の悪ガキ)がいるせいで、
より絆が深まったのかもと考えられなくもないけれど、
それでも、互いを思いやる気持ちに、
心打たれる。


主役は2人の少年だけれど、
彼らが飼っているシェパードが、
準主役といっていいくらい、素晴らしい。
シェーンという名のこの犬は、
何度も何度も2人の危機を救ってくれる。
この子はもう絶対、脚本を読んでるって思えるくらい、
各場面に合った様子を見せるのも可愛い。


それにしても、
この間の、「6才の僕が、大人になるまで。」もそうだったけど、
なんで映画の中のアメリカの母親は、
男を見る目がないかなぁ。


母親の再婚相手が、
幼い息子に暴力を振るっているというのに、
まるで気付かないってどういう事なんだろうと、
悲しくなる。
子供をちゃんと見ていれば、
怯えている素振りや、
オドオドしている様子から、
何かおかしいと気付くだろうに。
体はアザだらけなわけだし。


ラストの解釈は、
どう捉えたらいいのか、
ちょっと難しいけれど、
ネットでのどなたかの感想が、
私にはとても、合点がいった。
なるほど、そうか、と。


どんな風に解釈してもいい映画。
「お願い山」から飛んだ少年のように、
観る者は自由に心を飛ばす事ができる。


評価 ★★★★☆

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