「OUT」 [映画]
〔2002/日本〕
崩壊寸前の家庭に悩む雅子(原田美枝子)、
夫はとっくに死んでいるのに、姑の介護をするしかないヨシエ(倍賞美津子)、
ギャンブル依存症の夫から暴力を振るわれている臨月の弥生(西田尚美)、
買い物依存症で、闇金から多額の借金がある邦子(室井滋)。
4人の共通点は、深夜の弁当工場で働いている事。
ある朝、夫からいつものように暴力を振るわれた弥生は、
咄嗟に首を絞めて殺害、
雅子に泣きついてくる。
「死体はどこかに捨てれば分からない」と弥生が言い張り、
雅子の車に積み込むが、
その後、他人事のように振る舞う弥生に、
雅子は遺体を解体し、
生ゴミとして捨てるしかないと考える。
ひょんな事から、
ヨシエと邦子が解体作業に加わるが、
邦子が横着をして、
遺体の入ったビニール袋を、
墓地のゴミ箱に捨てた事から、
事態は思わぬ方向へ転がり出す・・・。
桐野夏生さんの原作小説は、
大変に面白く読んだのだけれど、
映画の方はというと、
申し訳ないけれど、ちょっと違うかなぁ。
原作から感じられた、
「凄み」のようなものが無いし、
全く矛盾のない、驚くような展開も、
上手く表現できていないように思う。
何よりラストが違う。
まるで別物。
最後まで軽い。
ただ、これ、
原作を読まずに観たらどうなんだろうとも思った。
意外と楽しめたりして、と。
なんたって、
西田尚美演じる弥生の、
物言いの軽さが凄い。
自分の夫を絞め殺したというのに、
その死体を雅子の車に積んだあとは、
知らぬ存ぜぬ。
「雅子さん、あとは何とかしてくださいよぉ」って、
そんな人間いるか?(笑)
室井滋演じる邦子の、
買い物依存症っぷりの演技がちょっと笑える。
すんごく上手い。
ケチな上に、気の小さい私には、
とても真似のできない生き方だけど、
そのキャラクターには興味がある。
大森南朋が、
弥生に殺された夫を演じているのだけれど、
バラバラにされる前に、
服を脱がされ、全裸になった彼を見て、
倍賞美津子が、ここには書けないようなとんでもない一言を放つ(笑)。
ちょっと笑った。
評価 ★★☆☆☆
「これ」も「見たかった」映画だぁ~~ぁ!!
なるほどなるほど。
では「出来るだけ」原作を先に読まないよう、
気を付けるとしますー!!
ありがとう!!
by 向日葵 (2015-03-09 01:26)
向日葵さん
コメントありがとうございます。
はい、映画単独の方が楽しめるという気がしています。
ただ、もし向日葵さんにお時間がおありでしたら、
私はぜひ、映画より本の方を優先して読んでほしいです~。
本当に面白いし、夢中になれると思います。
よろしかったら、ぜひ!
by 青山実花 (2015-03-10 23:40)