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「複雑な彼」 [映画]

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〔1966年/日本〕


金持ちの令嬢・森田冴子(高毬子)は、
父(佐野周二)と乗ったアメリカ行きの飛行機で、
CAの宮城譲二(田宮二郎)の、
日本人離れした優雅な振る舞いに心惹かれる。


冴子の叔父が偶然に譲二を知っており、
彼が、ロンドン在住だった事や、
様々な仕事をしていた事、
そして現在、保釈中の身の上である事を聞かされる。


冴子と譲二はその後愛し合うようになり、
冴子が父のお供で行ったリオデジャネイロで、
デートを重ねる。
しかし、冴子が父に譲二を紹介すると約束した晩、
彼は部屋を引き払ってしまった。


何か秘密を抱えているらしい譲二。
東京に帰った冴子は、譲二の部屋を訪ねるが・・・。





三島由紀夫が原作だというけれど、
なんというか、お粗末な印象。


同じ三島でも、
先日書いた「午後の曳航」のような、
凄いなぁと思わせる作品もあるのに、
何なんだ、この差は?(笑)
原作のせいなのか、
映画の作りが下手なのかは分からないけど。


とにかく、登場人物たちの世界が狭い。
出会う人出会う人みんなが、
田宮二郎扮する宮城の事を知っていて、
しかも殆どの女は、一度は彼と関係しているというモテっぷり。
日本女性だけでなく、
アメリカ人からインド人までってんだから、凄い(笑)。


そんなプレイボーイが、
主人公の冴子を本気で愛するようになるのだけれど、
冴子が父とリオに行くと聞かされると、
なんと彼も、彼女の飛行機にCAとしてご搭乗(笑)。


そして、その飛行機の中の、
空いている座席に冴子と座っちゃって、
キスしたり、抱き合ったり、お仕事そっちのけ(笑)。
どこぞの国のナッツ令嬢の機内での振る舞いには驚いたけれど、
この映画の宮城さんも負けちゃいない(笑)。
今だったら、その場でyoutubeに動画がアップされる事、
間違い無し。


そしてついには、
リオの冴子が滞在するホテルにまで現れる。
「来ちゃった~。てへ♪」って感じで(笑)。


良かったのは、
二人でする、リオの市内観光の場面くらいかなぁ。
いいなぁ、南米。
何度か書いているけれど、
南米は、死ぬまでに絶対行ってみたい地域ナンバーワンだから、
羨ましかった。
それだけ(笑)。


(と、ここまで書いて色々調べたら、
この映画のモデルって、安部譲二さんなの~!?
え~~! ビックリ!
だから田宮さんの役名が譲二なの!?
あんまり笑わせないで・・・、じゃなくて、驚かさないでほしいわ(笑))


評価 ★★☆☆☆

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コメント 4

ぼんぼちぼちぼち

この作品、観やした。
原作も読みやした。
そう、モデルはパーサー時代の安部譲二さんらしいでやすね。
当時の安部さんは痩せててカッコ良かったそうでやす。
この小説は、あっしの記憶違いでなければ、三島が盾の会の資金作りのために書き 女性セブンに掲載されたそうでやす。
なので、三島の気持ちはこの頃はすっかり盾の会に傾いており 作品に対する思い入れは薄かったようでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2015-01-25 14:15) 

Rchoose19

最後のくだりでビックリですが、この映画はラブコメなんでしょうか?
by Rchoose19 (2015-01-25 22:07) 

青山実花

ぼんぼちぼちぼちさん
コメントありがとうございます。

うわー☆ 貴重な情報ありがとうございます。
やはり本当に安倍譲二さんがモデルなんですね。
痩せててカッコよかった・・・
なるほど、それなら田宮二郎さんが演じても、
問題ないというわけなんですね。
なにせ、今のお姿しか知らないので(笑)。

それから、この作品に対する思い入れが薄いって、
分かる気がします(笑)。
だって、あまりにも設定が粗雑な気がして^^;
ぼんぼちさんに教えていただかなかったら、
三島由紀夫に対する気持ちが変わってしまった所でした。
本当にありがとうございます。

by 青山実花 (2015-01-27 10:59) 

青山実花

Rchoose19さん
コメントありがとうございます。

>この映画はラブコメなんでしょうか?

鋭い質問ですね^^;
本当に、観た私でも答えられないような感じです。
途中まではラブコメ風なのですが、
ラストは変な風に終わるんです。
ジャンル分けさえ難しい、変な映画でした^^;

by 青山実花 (2015-01-27 11:02) 

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