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「霧と影」 [映画]

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〔1961年/日本〕


能登半島の切り立った崖下の海岸で、
小学校の教師・笠原の遺体が見つかる。


笠原の幼馴染で新聞記者の小宮(丹波哲郎)は、
高所恐怖症の笠原が、
そんな場所に行くとは到底信じられず、
また、自殺をする理由もない事から、
その死について、調べ始める。


笠原は、自分の受け持ちの生徒・宇田清が
長期で学校を休んでいる事を心配し、
家庭訪問した帰りに死んでいる。
さらに、笠原が死んだ日、
彼が薬売りと歩いている姿を目撃したという
証言者が現れる。


宇田の家に行った小宮は、
そこが、家が4軒、12人の人間しか暮らしていない小さな集落である事を知る。
そして、数年前、
そんな集落を嫌って東京へ行き、
今はある会社の社長をしている
宇田甚平(安井昌二)という男の存在を突き止め・・・。





水上勉さんの原作小説の映画化。


水上さんの小説はいい。
殆どが、日本海側の地域が舞台で、
行った事がなくとも、
切り立った崖や、
荒々しい海や、
そこで暮らす人々の様子などが目に浮かぶような作風。


一番有名なのは「飢餓海峡」だろうか。
夢中で読んだし、映画も面白かった。
他に映画化された作品の中では、「雁の寺」と「越前竹人形」が特別に好き。
こんな面白い映画、
日本中のみんなが観ればいいのになぁと思うくらい。


で、この映画。
基本の流れは、
なんとなく「飢餓海峡」に似ている。
社会的な成功者となった男の過去にあるものは・・・
って部分が。


粗筋にも書いたように、
男の出身地である集落が、
なんとも小さくて、
さらに、そこで暮らす人々の人間関係に色々あって、
たしかにこれでは息が詰まるだろうと想像できる。
たった4軒しかないのに、
「本家」とか、「分家」とか。


「本家」「分家」という言葉は、
水上勉より、
横溝正史を連想させて、
脊髄反射しちゃうくらい(笑)、好きなテーマ。


俳優陣がちょっと地味かな。
丹波哲郎さんと、その弟分が梅宮辰夫さん。
お二人とも若い。
特に梅宮さんは、
最初は彼だとは気付かなかったくらい、
若くて、爽やか(笑)。


評価 ★★★☆☆

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MONSTER ZERO

梅宮さん、too young!
by MONSTER ZERO (2015-01-21 08:56) 

sig

日本映画をほとんど知らない私でも、「飢餓海峡」「越前竹人形」は好きな映画です。笑
by sig (2015-01-23 00:51) 

青山実花

MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。

梅宮さん、本当に若いですね。
今のイメージとは全然違います~(笑)
by 青山実花 (2015-01-24 07:36) 

青山実花

sigさん
コメントありがとうございます。

「飢餓海峡」と「越前竹人形」は、
本当に大傑作ですね!
こんな風に書いていると、また観たくなります(笑)

by 青山実花 (2015-01-24 07:40) 

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