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「わんぱく王子の大蛇(おろち)退治」 [映画]

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〔1963年/日本〕


まだ日本ができたばかりの頃。


イザナギとイザナミの間に生まれた王子・スサノオは、
野山を駆け回る、元気いっぱいの男の子。
ある日、最愛の母・イザナミが突然死んでしまうが、
まだ幼いスサノオは、死の意味を理解できない。


スサノオは、イザナミがいるという黄泉の国へ行こうと決心し、
ウサギのアカハナを連れて船で出発する。


まずは、兄のツクヨミが治める夜の国に行き、
次に、姉のアマテラスが治める火の国・高天原(タカマガハラ)へ。


さらにその先の出雲の国に行ったスサノオは、
母にソックリのクシナダ姫に出会う。
クシナダが近々、
頭が八つある大蛇・ヤマタノオロチの生贄にされてしまうと知った
スサノオは、
オロチを退治に出掛け、
そこで激しい戦いが始まる・・・。





先日観た「わんわん忠臣蔵」もそうだけれど、
古い日本のアニメの質が、
こんなに良いとは思っていなくて、感動。


この「わんぱく王子」は、
冒頭から、日本神話の一番最初の、
日本がどうやってできたかからを描いていて、
子供から大人まで楽しめる。
知っている逸話とはいえ、
アニメで観ると、
あらためて、神話って面白いなと思う。


神様が、イザナギ・イザナミの男女を
地上に遣わしたというエピソードも興味深いな。
アダムとイブもそうだけど、
やっぱり日本でも、
神話は男女一対から始まったのだと、
当たり前の事に、意味もなく納得してしまう。


そして、そんな2人から生まれたスサノオが、
このアニメでは、
とにかく元気で、小さい体なのに、
大変な怪力の持ち主として描かれている。


なにせスサノオは、
兄・ツクヨミの住む氷の宮殿では、
その柱を素手で折って振り回すという暴れっぷり(笑)。
性格の悪い子というわけでなく、
天然な感じだから憎めない。


姉のアマテラスが岩戸にお隠れになったエピソードも
描かれている。
知られ過ぎている物語ではあるけれども、
やっぱり面白くて見入ってしまう。


そして、メインのヤマタノオロチとの死闘。
面白い。
スサノオ頑張れ!と本気で応援したくなる迫力。


天照大神(あまてらすおおみかみ)と月読(つくよみ)と素戔嗚(すさのお)の
姉兄弟の物語は、
山岸凉子さんも、漫画「月読」で描いているけれど、
こちらは、このアニメと違って、
山岸さんらしい、ドロドロした内容で、
比べると、その違いになんだか笑ってしまう。


月読は天照大神を密かに愛しているけれど、
その暗い性格から、
感情を露わにする事ができない。


それに対して、弟の素戔嗚は、
野性児で傍若無人、
天照大神と、実の姉弟の関係ながら、
睦みあっていて、
それを知った月読は激しい嫉妬から・・・という内容。


月読が暗く、
素戔嗚が元気いっぱいなのは映画と共通してるけど、
幼い子供には、
とてもじゃないが読ませられない物語(笑)。
アニメでは可愛いスサノオが、
数年たって大人になると、
三人は、こんなおぞましいような、
近親相姦な三角関係になるのか・・・と想像してしまう私は、
もうすっかり汚れちまった人間だ(笑)。


評価 ★★★★☆

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コメント 4

sig

「白蛇伝」に始まる一連の東映動画は、ほんとにすばらしいですよね。その中でも大好きなのは「太陽の王子ホルスの大冒険」なのですが、宮崎駿さんが関わっていた作品なんですよね。
by sig (2015-01-12 14:59) 

hatumi30331

これ・・・・観た記憶あるよ。^^
こういう話し・・大好きでした!
by hatumi30331 (2015-01-13 06:26) 

青山実花

sigさん
コメントありがとうございます。

「白蛇伝」は未見ですが、
大変に評価が高いのは知っています。
宮崎駿さんは、その頃から、映画の制作に
関わっておられたのですね。
そういった長い積み重ねが、
名作を生み出された原動力となったのでしょうか。

「白蛇伝」をはじめとするアニメ、
他にもいろいろ観ていきたいと思っています。

by 青山実花 (2015-01-15 14:33) 

青山実花

hatumi30331さん
コメントありがとうございます。

おぉ!観られていますか。
本当に良いお話ですし、
神話を知るにもいいですよね。
by 青山実花 (2015-01-15 14:34) 

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