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「現代任侠史」 [映画]

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〔1973年/日本〕


飛行機のタラップから、着物姿で降りてくる高倉健。
彼は、元はヤクザであったが、
現在は足を洗い、寿司屋の主人に納まっている。


同じ頃、東京のホテルの会議室では、
東京と大阪の、主だったヤクザの若頭がズラリと並び、
協議していた。
大阪からの提案で、
縄張競争を廃止し、
連合会を結成するか否かの話し合いだ。


関東と関西が手を組めば、
いつか、関西に乗っ取られると読んだ松田組の郷えい冶は反対し、
系列の組も、それに倣う。


松田組が反対派にまわった事で、
ヤクザ同士の対立が激化し、
血なまぐさい事件が次々起こる。


一方、高倉健は、
ルポライター・梶芽衣子と恋仲となり、
結婚の日取りを決めるまでになるのだが・・・。





今月10日に亡くなられた高倉健さん。


ご存命中は、高倉さんの事を特別に意識した事は
なかったけれど、
高倉さんはもういないんだ・・・と思うと、
やはり淋しい。


高倉さんは、生涯205本の映画に出演されたという。
自分はそのうち、何本を観ているだろうと数えてみたら
たったの19本。
「何となく観た、観た気がする」というのが4本。


私は普段、映画の事を考える時、
沢山の作品が埋もれている事を思うと、
勿体なくて勿体なくて、
その辺を走り回りたくなってしまうのだけれど、
高倉さんの205本の出演作全てのタイトルを眺めていても、
その衝動が起こったのは同じ。


映画好きの端くれとして、
やはり何か観たい、高倉さんのお元気だった頃のお姿に接したいと思い、
どれにしようかと、検索した中から、
本作を選んだ。


何と言っても、DVDのジャケット写真が素晴らしい。
高倉さんご自身も、めっちゃカッコよく撮れているし、
飛行機のタラップを、日本刀を持って降りてくるなんて、
「キル・ビル」を同じ匂いの、トンデモ映画の予感がして、
ワクワクする。
別に高倉さんを軽んじているのではない。
これが私の最大の見送り方なんだ。


で、映画を観てみると、
ジャケット写真ほどには、トンデモ映画ではなかった。
高倉さんの持っている日本刀は、
戦死した彼のお父さんの持ち物を、
戦地から持ち帰ったという設定で、
機内では預けていた物を、出口で受け取ったようだ。


高倉さんと恋仲になる梶芽衣子さん。
彼女は、父の遺品を戦地まで引き取りに行った高倉さんを
取材してゆくうちに、相思相愛になる。
2人で夜店を歩く様子が可愛い。
高倉さんが綿菓子を食べたりして。


そうそう、梶さんがいるってのに、
高倉さんが夜店で、エロ雑誌を大量買いするシーンがある。
「なるべく激しいのを」とか言って(笑)。
梶さんは嫌がるけど、
高倉さんは、
「これは、寿司屋の店員・田中邦衛さんへのお土産だ」と言い訳。
他の男がしたら気持ち悪いと思われる行為も、
高倉さんがすると、カッコいいんだよなぁ。


本筋の、
ヤクザ的な物語は、ほぼ他人任せ(笑)。
高倉さんと関係のない所で話が進む。
高倉さんはどこまでも、寿司屋の親父(笑)。


高倉さんが、本気でヤクザ魂を炸裂させるのは、
最後の10分のみ。
そちらを期待した方には、
物足りない内容かもしれない。
私は、高倉さんと梶さんの恋愛が見られて満足だったけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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Mitch

やむを得ないことではありますが、大物俳優が次々といった感じでなくなってしまいますね。
寂しい限りです^^;
by Mitch (2014-11-22 18:29) 

青山実花

Mitchさん
コメントありがとうございます。

大物俳優さんが亡くなられた報道が入る度に、
勿体ないなぁと思ってしまいます。
特に高倉さんは、
永遠に存在してくれると錯覚しそうな、
力強い俳優さんでしたものね。
by 青山実花 (2014-11-25 14:42) 

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