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「お琴と佐助」 [映画]

okototosasuke.jpg
〔1961/日本〕


大阪・道修町の薬問屋の次女・お琴(山本富士子)は、
九歳の時目を患い、以来、盲目になる。


お琴は丁稚・佐助(本郷功次郎)を誰より気に入っており、
佐助の介助以外は受け付けない。


お琴を不憫に思う両親は、それを許し、
佐助は店の仕事より、
お琴の世話係専任のような形で仕えるようになる。


お琴は、その素晴らしい琴の腕前で身を立てるべく、
佐助を連れて独立し、師匠として弟子を取る。
しかし、そのヒステリックな稽古は、
決して評判が良くはない。


お琴の美しさに目を付けた、
近所の若旦那・利太郎(川崎敬三)は、
お琴と佐助を何とか引き離し、
彼女をものにしようとするも失敗、
憎しみを募らせる・・・。





これは失敗だったかなぁと思う。


何がって、斎藤工くんの「春琴抄」を先に観てしまった事が。
斎藤くんバージョンがあまりにも強烈で、
大好きな山本富士子さんがお琴を演じていても、
まったく平凡な作品にしか見えない。
単なる山本さんの1作品として、
記憶に埋もれてしまうと思う。


映画は、原作が同じだったら、
できれば公開年の古い方から観るのがベストなんだなぁと、
今更ながら、思い知った次第。
もちろん、ソフトが手に入らなかったりして、
必ずしも順番通りになるとは限らないのだけれど。


斎藤版は、
お琴と佐助が2人で暮らす所から始まるので、
お琴の両親や、独立前の生活が見えず、
その分、生活感がなく、
2人の濃密な空間だけがクローズアップされて、
そこにどっぷり浸かってしまう。


もちろん、それは原作通りではないけれども、
やはり両親の顔を見てしまうと、
「お琴も人の子、元はお嬢様」という、
当たり前の事が頭に残って、
世界に2人だけ、という風にはならない。


そして、普段は長所である、
山本さんの「真っ当」なイメージが、
この映画では邪魔になる。
お琴はもっと激しく、ヒステリックであってほしい。


そう考えると、
斎藤版でお琴を演じた、
長澤奈央という女優さんは
上手かったんだなぁと、あらためて思う。
私がこの女優さんを知らなかったのも、
変な先入観がなく、良かったのかもしれない。


斎藤版に相当ハマってるね、私は。
DVDを買って、毎晩観ちゃいそうな勢い(笑)。


評価 ★★★☆☆

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