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「まほろ駅前狂騒曲」 [映画]

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〔2014年/日本〕


東京郊外のまほろ市で便利屋を営む多田啓介(瑛太)と、
多田の家に転がり込んで以来3年、
助手を務める行天春彦(松田龍平)。


仕事の依頼は相変わらず雑多で多種多様。
特に、路線バスの間引き運転を疑う老人・岡(麿赤兒)からの、
運行チェックの仕事は本当に面倒臭い(笑)。


最近、駅前で無農薬野菜の販売ビラを配る
怪しげな「HHFA」という団体がいる。
ここの代表の小林(永瀬正敏)は、
ヤクザと手を組みたがっており、
組員・星(高良健吾)は多田に、
HHFAの実態調査を依頼してくる。


そんなある日、多田を大いに悩ませる依頼が来る。
行天の元妻の凪子(本上まなみ)が、
アメリカ出張の間の1か月間、娘・はるを預かってほしいと言うのだ。


はるは行天の娘に間違いはないが、
精子を提供しただけで、
凪子とは形だけの夫婦だった関係。
行天は、ある特異な生育歴から、
子供嫌いを自認し、
子供を虐待してしまうかもしれない自分を恐れているのだ。


多田は、行天にこの依頼の話が中々切り出せず、
一人悩む・・・。





いいコンビだなぁ、
このシリーズでの瑛太と松田龍平。


どちらがいいとか、そういった事ではなく、
どちらにも味があって、面白い。
一緒に仕事をしているし、互いの事は好きだけれど、
ある距離感はきちんと守られてる気がして、
観ていて安心できる。


松田龍平の、決して感情を露わにしない、
ボソボソとした感じが、
今回の物語のツボ。
彼の子供の頃の環境が、
今回明らかになるんだけど、
そうか、そうだったのかとフィクションながら、
少し驚く。


1作目の原作や映画に、
そんな事を仄めかす場面はあったっけ?と思う。
おそらくあったのだろうが、
細部をよく覚えていないのが残念。


私は専門家ではないので、
そう安易な事は言えないけれども、
子供時代の辛い出来事が、
その後の人生にどれだけ影響してくるか、
自分の体験も踏まえて、分かっているつもりだし、
だから行天の気持ちも分かる。
ただ、行天はちゃんと過去と決別できている。
辛かった過去の自分を客観的に振り返る
セリフもある。


行天は何も悪くない。
だから、子供を殴ってしまうかも、なんて心配はしないでほしい、
と思わず声を掛けたくなるような気持ち。


現に彼は、無理矢理はると2人きりにさせられると、
結構うまくやっている(笑)。
2人のやり取りは、微笑ましく可愛い。
そして、そんな時間を意識して作ってくれた
多田に感謝したくなる。


クライマックスは、ある人物が起こすバスジャックと、
その車内で起こった大変な出来事なんだけど、
わたし的に、それはないんじゃない?と思った(笑)。


ジャックする動機も弱いし、
それから、行天がバス内で大怪我を負ったというのに、
パトカーがあれだけいるのに、
救急車が1台もいないというのが本当に変。
「行天、死なないで」と本気で思っちゃったよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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desidesi

松田龍平の存在感は本当に羨ましい限りです。
お父さん(優作)も大好きだったけど、
松田兄弟が、親のいいところを分けてとったところに感慨一入。
瑛太もなかなか頑張っているので、
やっぱり映画になったか〜という嬉しさ。
最近、行天のキャラが素とだぶってきちゃったところもnice。
…やっぱり映画館で観た方が良いですか?(汗)
by desidesi (2014-10-24 13:57) 

青山実花

desidesiさん
コメントありがとうございます。

私も龍平さんにお子さんができたと知った時、
松田優作さんの遺伝子を引き継ぐ子ができて良かったと、
そんな考えが自然に頭に浮かびました。
確かに龍平さんは行天のキャラにピッタリですね^^

映画は劇場で観るに越した事はないのでしょうが、
desidesiさんがお忙しく、
見逃してしまったとしたら、
DVDでも良いのではないでしょうか。
私は媒体にはそれほど拘りません。
そんな事を言っていたら、古い映画など
名画座にかからない限り観られない事になってしまいます^^;


by 青山実花 (2014-10-25 23:21) 

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