SSブログ

「婦系図 湯島の白梅」 [映画]

image.jpg
〔1955年/日本〕


教師の早瀬主税(鶴田浩二)が、元芸者のお蔦(山本富士子)と
所帯を持って2週間が過ぎた。
2人は深く愛し合っていたが、
孤児だった早瀬を拾い上げ、育ててくれた
恩師・酒井俊蔵(森雅之)には、
まだ言い出せずにいる。


ある日、早瀬の下宿に、
学友の河野英吉(三田隆)がやって来て、
酒井の娘・妙子と自分の縁組を取り持ってくれないかと頼んできた。
しかし、かねてより河野の人間性に疑問をもっていた早瀬は
それを断り、
河野は怒り心頭のまま帰ってゆく。


そんな中、
お蔦がスリと間違えられ、警察に捕まってしまう。
彼女の身柄を引き取りに行った早瀬だが、
それを見ていた河野の策略で、
その事が新聞に載ってしまい、
それを読んだ酒井は激昂する。


「自分を取るか、お蔦を取るか」。
そう迫られた早瀬は、
酒井を裏切る事ができず、
湯島天神の境内で、彼女に別れを切り出す。


その後、早瀬は静岡でドイツ語の塾を開くが、
お蔦は生きる気力を失い、
重い病に罹ってしまう・・・。





以前にこのブログで、
3本の「婦系図」のレビューを書いたけれど、
この山本富士子さん版はソフトが見つからず、
未見だった。


今回、ビデオを借りる事ができ、
やっと観られた。
とっても嬉しい。


山本富士子さんが美しくて目を見張ってしまう。
それから、これはイメージだけど、
彼女は心まで清らかそうで、
そういう意味でも、このお蔦の役がピッタリだ。
鶴田浩二演じる早瀬主税に甘える場面など、
見習いたいくらい(笑)。


サイドストーリーはちょっと弱いかな。
例えば、妙子が実母と会う場面。
他の3本は、めっちゃ泣けたのだけれど、
この映画では、割とあっさりしている。
もちろん感動しないわけではないのだけれど。
それとも、私の方が慣れてしまったのかも(笑)。


それと、一番いけ好かない河野が最後まで尊大で、
何の天罰も下らないが物足りない(笑)。


酒井の言い訳も見苦しい。
「お前たちの為を思って別れさせた」って、
すんごい後付けっぽい。
ただ単に、新聞に自分の名前まで載ってしまって、
恥をかかされたと、
カッとなったようにしか見えなかった。
そこは演出のせいなのかもしれないけど。


湯島天神は私の大好きな場所。
とても厳粛で引き締まった気持ちになれるのが不思議。
学問の神様だけに、
多数の受験生と、
そして、受験生本人より、
子供を思う親御さんのお気持ちが
痛いほど伝わってきて、
行くといつも、涙が出そうになる。


評価 ★★★☆☆

nice!(25)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 25

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0