「マザー」

〔2014年/日本〕


人気漫画家・楳図かずお（片岡愛之助）の所へ、
楳図の生い立ちを出版したいという
企画が持ち込まれる。


楳図の自宅で、担当者・若草さくら(舞羽美海)が
取材をしていると、
窓辺に立てられていた赤い皿が突然割れた。
楳図は、両親の写真の代わりに、
緑の皿を父、赤の皿を母として飾っているのだ。


楳図に多大な影響を与えたのは
彼の母・イチエ（真行寺君枝）だと感じた若草は、
楳図の故郷・和歌山に行き、
イチエについて調べ始める。


すると彼女の身に次々と不可思議な現象が起き、
また、楳図のもとへ親戚たちから、
イチエの霊が現れたとの連絡が入る・・・。





楳図かずおさんの舞台挨拶付きチケットを
衝動買いしてしまった(笑)。


この映画は絶対観ようと決めていたけれど、
舞台挨拶までは考えていなかった。
ネットで上映館などを確認していたら、
舞台挨拶がある事を知って、
楳図かずおさんを生で見てみたいという思いにかられて、
思わず買っちゃったというわけで。


残席わずかだったので、
席は後ろから2列目。
実際行ってみたら、
最後列は取材用で空けてあるらしく、
客席としては最後列であった。


映画が終わり、
楳図先生、
片岡愛之助さん、
舞羽美海、
真行寺君枝さんの登場。


楳図先生は思っていた以上に物腰が柔らかく、
丁寧で、
そして、とても腰の低い、
周囲に気を配られる人だと感じた。
他の皆さまも明るく、楽しく、
とても和やかな舞台挨拶だった。


楳図先生にとって、
本作は初監督作品だそうで、
でも、初めての作品と思えないくらい、
映画として、きちんとできていたと思うし、
どこまでがフィクションなのかは分からないけれど、
楳図先生の生い立ちを知る事ができて、
とても楽しかった。


楳図先生の漫画は、
全部というわけではないけれど、
「洗礼」とか「漂流教室」とか、
あと短編集を何冊か読んでいる。


私が書くまでもないけれど、
どれも独特で、不気味で、
でも人の心を捕えて離さない何かがあって、
そのような作品を作り出す才能は、
それはもう、凄い事だと思うし、
日本の宝だと思う。


お若く見えるけれど、
先生ももう、78歳なんですね。
病気をされていたとの報道もあるけれど、
いつまでもお元気でいてほしいと思います。


評価　★★★☆☆

コメント 6

「まことちゃん」の「ぐわし」が懐かしいです。
「うしろの百太郎」や「恐怖新聞」も楳図作品かと思いましたが、
あれは「つのだじろう」でした＾＾；

恐怖新聞は怖かったなぁ・・楳図先生には関係ありませんが＾＾
by don (2014-09-28 20:13) 

それで最近、猫目小僧やまことちゃんをcsで放送してたのですね。
吉祥寺のバウスシアターがもう一年健在ならば必ず上映したでしょうに。ビチグソな現実め。
by inuneko (2014-09-28 23:08) 

楳図先生の作品は、小学生の頃、いきつけの床屋さんにたくさんあって、それを読むのが楽しみでした。わざと混んでるときに行ったりして。
「恐怖」とか「へび少女」とか、もう怖くて怖くて…。「漂流教室」も面白かったけど、一転してのギャグマンガ「まことちゃん」には大笑いしました。話し口調が移っちゃったりして。
楳図先生は、人物の表情の描写がすごいですよね。
そして、どこか一歩引いた目線で描いている感じがとても好きです。
つのだじろうの「うしろの百太郎」「恐怖新聞」もコワ面白かったです。最近はその手のものは読まなくなりましたが、久しぶりに読んでみようかな。
この映画は初めて知りました。興味わきました。楳図先生お元気そうで何よりです。
by desidesi (2014-09-30 13:07) 

donさん
コメントありがとうございます。

映画館の入り口で、「ぐわし」の絵が描かれた厚紙をもらい、
楳図先生の掛け声で会場全体の写真を撮りました＾＾；

「恐怖新聞」、怖いんですね。
面白そうです。
読んでみたくて、図書館で検索したのですが、
在庫していませんでした。
ブックオフで立ち読みしてきます＾＾

by 青山実花 (2014-09-30 20:32) 

inunekoさん
コメントありがとうございます。

なるほど。
CSで放送されていたのですね。
私の家は地上波しか観られないのですが、
CSが映るなら、絶対観てしまいそうです＾＾；

バウスシアターには行った事がないのですが、
吉祥寺には楳図先生のご自宅もありますし、
上映された可能性が高いですね。
そういった小さな映画館が無くなってゆくのは、
本当に勿体ない事だと思います。

by 青山実花 (2014-09-30 20:44) 

desidesiさん
コメントありがとうございます。

床屋さんで順番を待つ時、
楳図先生の漫画があったら、
退屈しなくていいですね。
混んでいる時に行きたくなるお気持ち、わかります＾＾

私もこれを機会に、
先生の漫画を再読している所です。
昨日読んだのは、「こわい話VOL.3　顔」です＾＾；
仰る通り、先生の漫画は表情が凄いですし、
それから、女性の主人公の美に対する執着も
大変なものがありますね。
男性なのに女性の心理を大変に理解されているのも、
凄いと思います。

この映画も、女性の心理を上手くとらえた内容です。
機会がありましたら、ぜひご覧になってみて下さいね。

by 青山実花 (2014-09-30 20:51)