「忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻」 [映画]
〔1959年/日本〕
元禄14年。
勅使の接待役を仰せつかった浅野内匠頭(中村錦之助)は、
指南役の吉良上野介(進藤英太郎)に、
作法についての教えを乞うが、
手酷い扱いを受け、
ついに、江戸城松の廊下において吉良に切りかかる。
浅野は即日切腹、
しかし吉良にはお咎め無し。
そんな不公平な裁量に、
家臣たちの不満が募る。
大石内蔵助(片岡千恵蔵)は、
討ち入りの為の準備を進めるが、
表向き、遊郭で遊び呆けるという
カムフラージュで世間の目を欺く。
四十七士の一人・岡野金右衛門(大川橋蔵)の
恋人・おたか(美空ひばり)は、
「間者になり、吉良邸の様子を探ってほしい」と頼まれ、
吉良家の女中となる・・・。
3時間の長い映画。
そのせいか、
「櫻花の巻」と「菊花の巻」の二つの章で成り立っている。
この長さのおかげで、
吉良上野介の底意地の悪さが、
実に丁寧に描かれていて、
今まで観た忠臣蔵で一番ムカつく。
忠臣蔵では知られたエピソードなのかもしれないが、
吉良は浅野内匠頭に、
「勅使を迎えるのは質素で良い。畳替えなど必要ない」と言う。
しかし、実は畳替えが必要な事が前日に分かり、
浅野の家臣たちは、
街中の畳屋を集め、夜を徹して畳替えを行う。
さらに、当日の式服も嘘を教える。
なんだよ、この女の腐ったような
陰湿な苛めは。
しかも、そのきっかけとなったのが、
浅野家からの貢物が安物だったからという、
チンケな理由。
これって史実なんだろうか。
ただ、観ていて一つ思った事。
こんな事を書くと怒られそうだけど、
浅野サンも、畳替えの事で、
一度吉良に騙されているのに、
なぜ式服の件で、また騙されるかなぁ。
念の為、別の誰かに確認するとか、
できなかったんだろうか。
昔の事だから、よく分からないけれど。
吉良の家に女中として入り込んだ美空ひばりさん。
彼女は吉良に気に入られ、
ある日、家臣から、「今夜、吉良様の夜伽をするように」と言われてしまう。
ヤバい。
美空サンの貞操の危機!(笑)
しかし、その夜、討ち入りが決行される事を美空サンは知っている。
彼女は、少しだじろぎながらも、
「今夜は無理ですが、明晩絶対に」とお答えに。
明日、吉良は死んでるもんね、と思いながら観ると、
胸のすくシーンであった。
女中だからって、何でも思い通りになると思うなよってね。
評価 ★★★☆☆
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