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「うるさい妹たち」 [映画]

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〔1961年/日本〕


大企業の副社長・永井智雄は、
街中で拾った少女・仲宗根美樹とホテルに行くが、
一線は越えずに別れる。


仲宗根は高校生ではあるが、
学校に行くより、
クラブで遊び回る方が性に合うという、
不良だ。


仲宗根には、売れない絵描きの恋人・川口浩がいた。
川口は、どんな手段を使ってでも、
絵で世に出たいと思っている野心家で、
利用できるものは何でも利用する。


その後、永井は、
自分の秘書・岩崎加根子と関係するが、
岩崎の妹が仲宗根である事が分かる。


永井には18歳の娘・江波杏子がおり、
彼は、江波と大株主の息子とを結婚させようと画策する。
ところが、偶然クラブで出会った川口と江波は、
互いに、これ以上はないくらいに惹かれ合ってしまう・・・。





このタイトルから、
沢山の妹がいる長男が主人公の
ドタバタしたファミリードラマかと思いきや、
60年代前半の不良の生態を描いたような話だった。


とにかく、
登場人物たちが知り合う相手が、
必ず他の人物と繋がっているのが笑える。
世界狭すぎ(笑)。


不良で、すねた顔の川口浩様が、
役柄にピッタリで、
その表情を真剣に見てしまう。
特に、江波杏子と初めて出会う場面は、
古い少女マンガでいえば、
バックに花が書き込まれそうなくらい、
強烈に惹かれ合う演技で、両者ともに上手い。


その後、急速に接近した2人は、
4分間のキスコンテストに出たりする。
正直、私はこのシーンに嫉妬を覚えたわ(笑)。
なんだろう、古い映画だというのに。
相手役が野添ひとみさんなら、
ニコニコして見ていられるのに、
本気で気分が悪かった。


そんな浩様たちに嫉妬した仲宗根美樹が凄い。
彼女は女友だち3人と、
浩様をリンチにかけるんだけど、
その方法というのが、
熱湯のシャワーを浩様の背中に浴びせるという壮絶さ。
現実にあんなことをされたら、
背中の皮が全部ズルりと剥けてしまいそうだ。


けれど、どんなに惹かれ合っても、
浩様と江波は、所詮は身分違い。
江波がどんなに不良ぶっても、
親の財産も地位も捨てて、
浩様に付いてゆく勇気などありはしない。


ただ、私は、それでいいんだと思う。
どちらかが無理して、
相手の側に行ったって、
いずれは破綻するような気がするもの。


評価 ★★★☆☆

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