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「愛のお荷物」 [映画]

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〔1955年/日本〕


厚生大臣の山村聡は、
増え続ける日本の人口対策のため、
「受胎調節相談所設置法案」なる法律で、
人口抑制を促す法律を提案する。


彼の主張は、
国民に避妊を勧める、
ただし、堕胎は、母体の肉体的精神的負担から、
それを認めない、という事だった。


ところが、山村の長男・三橋達也が、
いつの間にか、山村の秘書・北原三枝とできあがっており、
妊娠したと知らされ仰天する。


さらに家に帰ると、山村の47歳になる妻・轟夕起子から、
妊娠したらしいと告げられ、
これまたショック。


さらにさらに、次女・高友子は彼女の婚約者・フランキー堺の子供を
宿しているらしく、
山村の「受胎調節相談所設置法案」は、
まるで説得力のないものとなる。


そんな中、山村は大学時代に懇意にしていた芸者・山田五十鈴と再会し、
「実は28年前、あなたとお別れしたあと子供を産んだ」と聞かされ、
ショックの連続。
その息子(三橋達也・二役)の就職の世話を約束する。


また、結婚して6年も子供ができなかった長女まで、
妊娠の兆しがみられ、
家族はてんやわんやの大騒ぎ・・・。





厚生大臣をする初老(に見える)山村聡と、
彼の3人の子供全員が、
同時に妊娠する(させる)という、
まぁ、ほぼ有り得ないであろうコメディ。


最初のナレーションで、
現在8000万人の日本の人口は増加の一途を辿り、
このままでは何年か後には、
1億人を突破すると言っている。


今の日本の人口は1億2000万人くらい?
1955年ころはまだ、1億を超していなかったというのが、
このナレーションで分かるけど、
映画に描かれるくらいだから、
当時はこの先の人口増加を、相当危惧していたのだろう。


なんだか、少子化で困っている現代日本とは正反対(笑)。
ただ、これは私の考えだけれど、
国が個人に、「子供を生め」とか「生むな」とか口を出すのは、
まったくもって余計なお世話だと思うんだけどな。
そんな事は本当に個人の自由だし、
人口の減少によって弊害が現れたとしても、
それは結局その国が辿る運命としか、
言いいようがないんじゃないのかな。


そもそも、戦争中の「産めよ増やせよ」といった標語や、
戦争直後のベビーブームは、
国の無策による結果も大きし、
それが今の高齢化社会の一因になっているとも
言える。
その時その時の都合を国民に押し付けるなって。


と、そんな映画じゃないけどね、これは(笑)。


まぁ、山村聡も上記のように、
国民に人工調整を押し付ける厚生大臣の役なんだけど、
結局私生活では、
自分の法案とは正反対の出来事が起こるって事で。
何事も、そう上手くいくわけはないわよね(笑)


ただ、山村さん夫妻を始め、
登場するカップルがみんな仲が良いのが、
とても好感が持てる。
カップル全部に子供ができるというコメディだから、
当然といえば当然だけど、
子供がいようがいまいが、
仲の良いカップルを観るのは気分がいい。


北原三枝さんが素敵で、
女の私でも見惚れてしまう。
綺麗で、スタイルも良くて、
知的な秘書の役がピッタリ。
今まで、石原裕次郎の相手役の、
ちょっと暗めの映画しか観た事がなかったから、
新鮮な感じだった。


評価 ★★★☆☆

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su-nya

それにしてもタイトルがすごくないですか!?
by su-nya (2014-05-11 06:39) 

青山実花

su-nyaさん
コメントありがとうございます。

はい、私もそう思いました^^
お荷物ってのが、
子供を指しているのは明らかで。
この映画の場合、
山村さんの妻の妊娠、即、大臣生命に繋がるって事も
あるのでしょうけれど、それにしても・・・(笑)。

by 青山実花 (2014-05-13 14:36) 

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