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「サディスト」 [映画]

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〔1962年/アメリカ〕


野球観戦に向かう途中、
車が故障し、砂漠の中の修理工場に立ち寄った3人の教師、
エド(リチャード・アルデン)、カール(ドン・ラッセル)、
そして、紅一点のドリス(ヘレン・ハーベイ)。
しかし、いくら声を掛けても、
人が出てこない。
家の中を見てみると、
つい今しがたまで、人が生活していたように感じられるのだが。


庭の廃車置き場で困っていると、
そこへ、ピストルをこちらに向けた、
凶悪そうな男・チャーリー(アーチ・ホール・ジュニア)と、
チャーリーのガールフレンド・ジュディ(マリリン・マンニング)が現れる。


チャーリーとジュディは、
殺人行脚をしながら、ここに辿り着き、
さらに、修理工場の住人を殺したのだ。


車を欲しているチャーリーは、
エドに、修理を命令。
そしてカールに暴行し、撃ち殺す。


エドとドリスは、
なんとか逃げ出そうとするが、
チャーリーは隙を見せない。
作戦を練っても、その度に見破られる。


警官が2人、やって来る。
チャーリーはエドを車のトランクに入れ、
ドリスをジュディに見張らせ、
対応するのだが・・・。





観終わった瞬間、
「面白かったぁ」と独り言言っちゃった。
地味だけど、すんごい傑作の掘り出し物だと思う。
緊張感がハンパない。


登場人物は、メインの5人と、
あとは警官の2人だけ。
ストーリーも単純。
舞台は、砂漠の中の廃車置き場が殆ど。
なのに、この面白さ。
映画は金をかけりゃいいってもんじゃない。


人を殺す事に、何の罪悪感もないカップルが
怖ろしい。
チャーリーは躊躇いなく人を撃つし、
ジュディは笑いながら、それを見ている。


そういった映画は、
他にも無いわけじゃないけど、
なんだろう、この怖さは。
シンプルな作りな分、
余計にリアルで、
自分がそこにいるような錯覚に陥るのかもしれない。


もし、自分が同じ目に遭ったとしたら、
抵抗しないで、
相手が疲れるのを待つかなぁとも思ったけれど、
きっとチャーリーは、彼自身が眠くなった時点で、
ターゲットを殺すでしょうね。
「明日まで待つ」なんて、気の長い人間じゃないもの。


それから、相手の心に訴えるような説得も、
彼に限っては、効果がない気がする。
エドたちが教師だと知ったチャーリーは、
学校に恨みでもあるのか、
加虐の心にますます火を付けた感じだし、
「自分の父親にも同じ事ができるかと」言われた時も、
全く意に介さなかった。
親の事を持ち出されて動揺するのは、
親に愛情がある人間だけであって、
もし憎しみを募らせでもしていたら、
逆効果なんだなぁと、思い知った次第。


ただ面白いのは、
ジュディへの愛情は相当のものらしいという事。
まぁ、ここまで息の合った相手には、
なかなか出会えるものじゃないだろうけど(笑)。


観ているだけで、
疲れてヘトヘトになる。
それだけ、のめり込める映画って事なんだろうけど。


評価 ★★★★★

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