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「ジャージの二人」 [映画]

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〔2008年/日本〕


真夏のある日。
会社の辞めてしまった32歳の堺雅人は、
54歳の父・鮎川誠に誘われ、
北軽井沢の別荘に行く。


別荘とはいっても、
小さな山荘のそこで、
二人はジャージに着替え、
ひたすらダラダラした時を過ごす。


堺の妻・水野美紀は、
どうやら好きな男がいるらしく、
堺はその事を気にしつつも、
ケータイの電波さえ入らない山の生活では、
どうする事もできない。
固定電話もあるけれど、
事情を知らない鮎川に、その事を知られたくはない。


1年後。
今年の夏は、鮎川と堺に加えて、
水野も別荘にやって来た。


水野は男と別れたと言ったが、
実はそれは嘘だと分かり、
夫婦の仲は冷えている。
水野は3日間滞在しただけで東京に帰ってゆく。


入れ替わりのように、
鮎川と再婚相手の間に出来た娘・田中あさみが
やって来る。
夏休み中、沢山の映画を観るつもりだという田中だが、
ソフトのレンタル店までは車で1時間、
そしてなにより、この別荘にはプレーヤーがない・・・。





長嶋有さんの原作は読んでいる。
とてもユルい物語だったと記憶しているけれど、
映画も、原作以上にユルかった(笑)。


とにかく、なーんにも起こらない。
別荘に行って、ジャージに着替えた、
もう若くもない父と息子が、
ダラダラするだけ。
でも退屈はしなかったけど。
映画のダラダラ波長に合わせて、
こちらもダラダラ観ていると、
いつの間にか時間が流れてしまう。


二人は別に、スローライフとかエコとか、
そんな物に興味やポリシーがあるわけではなく、
何となく来ちゃった、としか言いようがない感じで、
そこでの時を過ごす。


堺は、田舎道で、
女子高生が右手を高く掲げている姿を目撃して、
「一体何をしているのか」と不思議に思うのだけれど、
そのあたりで、ケータイの電波が入るのは、
その場所だけなのだと知る。


面白いなぁ。
田舎だって都会だって、
やっぱり女子高生は女子高生なんだよね。
彼女たちにとって、
ケータイはもう、生活になくてはならない物になってる。


私はケータイにそこまでの執着はないけど、
ビデオレンタル店がないと知って怒った、
田中あさみの気持ちは分かるわ(笑)。


それから、そんな物質的な事より、
堺雅人と水野真紀の夫婦関係が、
やっぱり気になる。


水野は別荘近くを堺と散歩中、
そっと堺の腕に、自分の腕を絡ませるんだけど、
堺はそれを振りほどくんだな。


確かに不倫をしている水野は、
堺にとって最悪の妻で、
そうしたくなる気持ちも分かるんだけど、


でも、ちょっと悲しかった。
もしかしたら、彼女にとってその行動は、
自分から堺に歩み寄ろうとする気持ちからなのかも
しれないのに。
まぁ、仕方ないんだけど。


評価 ★★★☆☆

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