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「鑑定士と顔のない依頼人」 [映画]

kanteishito.jpg
〔2013年/イタリア〕


ジェフリー・ラッシュは、
オークション界では有名なオークショニア。
そのスピードといい、ユーモアといい、
一級品の腕前だ。


しかし、素顔の彼は人間嫌いで偏屈。
潔癖症で、手袋無しでは物に触る事もできない。
孤独な彼の唯一の楽しみは、
広い隠し部屋の壁一面に飾られた、
無数の女性の肖像画。
彼は、自分が欲しいと思った絵画を、
友人・ドナルド・サザーランドに落札させ、
次々コレクションに加えているのだ。


そんな彼が、ある日、若い女・シルヴィア・フークス から電話を受ける。
亡くなった両親の多くの美術品を鑑定し、
値段を付けてほしいという依頼だ。


フークスの屋敷に出向いたラッシュは、
フークスが全く姿を現さない事に苛立つ。
実は彼女は、「広場恐怖症」という心の病に罹っており、
他人に顔を晒す事ができないのだ。


フークスの美術品を鑑定しながら、
壁越しに会話するラッシュ。
彼は次第にフークスに惹かれ、
彼女をもっと知りたいとの思いに抗えなくなる。


ある日、帰ったフリをして、
物陰に隠れた彼は、
扉から出てきたフークスの姿を初めて見る・・・。





高級感のあるミステリー。


美術品が沢山出てくるので、
美術に疎い私は、それだけで、
「な、なんだかよくは分からないけど、とにかく凄い!(笑)」という
思いにさせられる。


しかも、そんな美術品プラス、壁越しにしか話のできない謎の女よ。
嫌が上にも気持ちは盛り上がるってもんだ。
ジェフリー・ラッシュ以上に、
観客は、早く女の顔が見たいと熱望するのが、
人情ってものでしょう。


で、ついに姿を現した女を、
ラッシュの目を通して見る観客。
13年間、一度も外に出た事がないというから、
どんなにかヨレヨレでボサボサの女かと思ったら、
これが意外!
とっても綺麗。
しかも、27歳という年齢が、
ギャル過ぎず、三十路でもなく、
絶妙にいい感じ。
ラッシュがたちまち彼女に恋してしまうのも無理ないわ(笑)。


この偏屈で人間嫌いのラッシュは、
女性に触れるのも初めてだという。
そっかぁ、この年にして初めての体験。
そりゃあ、夢中にもなる・・・
・・・って、この映画のテーマはそんな事じゃない!(笑)


話はどんどん進んで、
謎が謎を呼ぶミステリー。
一段落ついても、
「これで終わるはずないな」との想像通り、
ますます深みにはまってゆく。


「途中でオチがわかった」と書かれているかたもおられるけど、
鈍い私は、クライマックスの展開にビックリ。
映画を観る目的の一つに、
「驚きたい」というのがある私にとって、
これは最高に心にくる。
面白い。


監督はジュゼッペ・トルナトーレ。
「ニュー・シネマ・パラダイス」の時はまだ32歳で、
映画の内容と監督の若すぎる年齢のギャップに、
一部の人から
「けっ、この青二才に何が分かる」と言われたとも聞いた事があるけれど、
その監督もいまは57歳なのね。
ここまでくれば、もう誰も文句はないでしょう。


評価 ★★★★☆

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コメント 4

okin-02

新春のお慶びを申し上げます
旧年中は,我がブログに訪問頂き・又、沢山のnice!を
賜り・有難う御座いました、
本年も旧年同様・お付き合い頂きます様、お願い申し上げます。
by okin-02 (2014-01-02 17:52) 

ネオ・アッキー

明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。 今年もよろしくお願い致します。
by ネオ・アッキー (2014-01-03 08:43) 

青山実花

okin-02さん

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
鳥のお写真を見させていただきましたが、
本当に綺麗ですね。
野性の動物を見るのは大好きです。
by 青山実花 (2014-01-03 23:10) 

青山実花

ネオ・アッキーさん

明けましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
美味しそうなおせち料理に、
お腹が空いちゃいました^^
by 青山実花 (2014-01-03 23:14) 

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