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「戸田家の兄妹」 [映画]

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〔1941年/日本〕


裕福な暮らしをする戸田家の、
母の還暦祝いで、
長男、長女、次男、次女、三女の5人の兄妹が集まる。
ところがその夜、父が急死する。


父の会社の内情は、思っていたより悪い事が分かり、
家や、多数の骨董品の処分を余儀なくされる。
住む家を失った母と、嫁入り前の三女は、
長男の家に引き取られる。


しかし、今までの夫婦だけの気楽な生活に、
突然入り込んできた母と義妹に、
長男の妻は息苦しさを感じずにはいられない。
結局、両者は上手くいかず、
母と三女は、今度は長女の家に引き取られる。


しかし母は、長女の息子の教育問題で揉めてしまう。
母と三女は、2人だけで鵠沼(湘南)の別荘で暮らす事を決める。


父の一周忌。
1年ぶりに全員が揃った会食の席で、
天津に行っていた次男が、
母をたらい回しにした兄妹たちを一喝する・・・。





観ている途中で、
「困ったなぁ」という声が自然に出てしまう。
住む家をなくした母が、
どの子どもに引き取られても上手くいかない様子に、
観ているこちらまで辛くなってしまう。


誰も悪い人はいない。
母は大人しく、出しゃばったり、
嫁をいじめるわけではない。
でも、セリフにもあるけれど、
たまに会うなら上手くいっていた関係も、
毎日顔を突き合わせるとなると、
大変なストレスになる。


長女はさらにキツい。
実の娘なだけに、母に対する物言いには容赦がない。


これ、どうすればいいんだ?
どっちの気持ちも分かるのよ。
だから、別荘で三女と暮らす決断をした母に、
「それが一番よ」、と声を掛けたくなった。


それから、
この先書く事は、
殆ど見受けられない感想のようで、
私が変なんだろうけど、


私には兄妹を前にして一席ぶつ次男が、
どうしても納得いかん(笑)。


父の死後すぐに天津に移住した次男は、
その間に起こった出来事はまるで知らない。
親を大切にせねばならぬのは分かってるけど、
兄妹たちだって、
辛い思いをしているのよ。


それは体験しなければ分からない辛さで、
何も知らない彼に、何が分かるって言うんだろう。
「兄さんたちに任せておけば安心だと思ったのに」って、
自分は丸投げで、
人に意見できる立場なのか?次男は。


結局母は、次男と暮らす事に決めるけれど、
これも不思議。
あんなにどこの家でも辛い思いをしたのだから、
私だったら、別荘で暮らす。
次男はまだ未婚だから、今はそれでいいけど、
彼が結婚して、
また嫁と上手くいかなかったらどうするの?
懲りない人だなぁ。


もちろん、時代が違うから、
現代の感覚に当てはめるのは間違っているのだろう。
夫を失った女は、
次は子どもに頼るのが当然の時代のようだ。
それに、この家族は恵まれている。
貧しい暮らしをしている人が多数の中、
別荘があって、働かずに暮らせるなんて、夢のような話。


まぁ、ブルジョアにはブルジョアなりに
大変な事があるようだけれど。
「仕事をする」と言い出した三女に、
「そんなみっともない事は絶対に駄目!」と言った長女の
権幕ったら、大変なものだった。
やっぱり庶民とは感覚が違うのね(笑)。


評価 ★★★☆☆

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