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「牛乳屋フランキー」 [映画]

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〔1956年/日本〕


長州からはるばる東京へやって来た堺六平太(フランキー堺)。
遠縁の杉香苗が営む牛乳屋・杉牛乳店が、
経営の危機にある為、
祖父(フランキー堺・2役)に命じられての事だった。


杉牛乳店は、近所のブルドック牛乳店の
強引な商法に負け、
得意先を減らしている上に、
ブルドックの店長から50万円の金を借りていて、
今や風前の灯。


祖父の言いつけ通り、
なんとか店を再建させようと、
堺の努力が始まった。


牛乳の配達だけでなく、
客からの要望に応え、
付文の配達やら、
引っ越しの手伝いやら、
とにかく、何でもこなす。


そのお陰で、
店の景気はどんどん上向いてゆくが、
50万円の借金だけはどうにもならない。


ブルドックの社長が、
ついに店を明け渡すよう言ってきた。
六平太は困り果て、
祖父に相談すると・・・。





とにかく、めっちゃ軽やかで、
笑える映画。
フランキー堺の演技と、
映画の演出がピッタリと合って、
素晴らしい作品が出来上がったという好例かも。


私の近くの席に座っていたおじさんが、
すんごい大声で笑っていたのが印象的。
場合によっては、
そういった方を「うるさいなぁ」と思ってしまう事もあるけど、
この映画に限っては、
全然イヤじゃなかった。
「そうだよね、可笑しいよね」といった感じで。


牛乳配達という、
ある意味、単調な仕事を、
フランキー堺が様々な工夫でこなしてゆく。
私の文章力では上手く書けないのがもどかしいけれど、
とにかく笑える。
彼の動きは、
サイレント映画でも通用すると思われるくらい可笑しい。


当時、流行っていたと思われる、
「太陽族」をずいぶん揶揄していると思ったら、
「狂った果実」を監督した、中平康さんの作品だった。
同じ年に、こんな全くタイプの違うの映画を作るって、
やっぱり才能のある方は、
何をしても出来るんだという見本な気がする。


テンポが良いせいで、
物語がご都合主義に進むのも、
全く気にならない。
奮闘してる堺を見ていると、
彼が幸せにならなきゃ誰がなる、という気持ちに
自然となってくる。


もっと多くの方が、
こういった映画を観ればいいのになぁと思う。


評価 ★★★★★

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