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「天使の詩」 [映画]

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〔1966年/イタリア〕


フィレンツェに住むイギリス大使・ダンカンは、
妻を亡くし、
悲しみにくれると同時に悩んでいた。
8歳の息子・アンドレアと、4歳の息子ミロに、
この事をどう話していいのか分からなかったのだ。


ダンカンはアンドレアだけに妻の死を告げる。
まだ幼く、繊細なミロには、
母を亡くした事実を受け止められないとの判断からだった。


ダンカンは、アンドレアに、
兄として、ミロの手本になるようにと言う。
アンドレアの心が、
本当は悲しみいっぱいで、
母の死にショックを受けている事など、
ダンカンは気付きもしなかった。


そんな中、叔父のウィルが遊びにくる。
ウィルは、「子供は嫌いだ」と公言しながら、
実際はアンドレアたちを愛してくれる、
とても優しい人だ。
彼は、アンドレアの淋しさを見抜き、
ダンカンに忠告する。
「もっとアンドレアの気持ちを理解しなければ駄目だ」と。


ダンカンは、アンドレアを気に掛けるようになるが・・・。





兄弟の、上の子の辛さが表現された、
悲しい物語。


上の子も、下の子も、
それぞれ違う種類の大変さがあって、
どちらが辛いとは決められないとは思うけれど、
この映画に限っては、
あまりにもアンドレアが可哀相で。


父はミロを繊細だと言うけれど、
この子は幼いからそう見えるだけで、
本当に繊細なのはアンドレアの方だと、
全く気付かない。


まぁ、それは別に、
この父親が特別鈍感というわけではなく、
男ならこんなものだろうという程度なのだけれど。
それに父だって、
妻を亡くした事は相当ショックなようで、
アンドレアの心を忖度するほどの余裕もないようだ。


アンドレアは、父を喜ばせようと一所懸命。
父を驚かせようと色々するのだけれど、
する事なす事が裏目に出てしまい、
叱られてしまう。


観ているこちらにしたら、
アンドレアが何かする度に、
悪い事が起こるのでは、と、
ヒヤヒヤしてしまう。
「お願いだから、新しい事をする時は大人に相談してー!」と
言いたくなる。


ウィル叔父さんがとてもいい人で救われる。
父も、叔父さんの進言で、
アンドレアへの接し方を改めようとするところなど、
とても素敵な場面もある。
それでも上手くいかないのが悲しいのだけれど。


評価 ★★★☆☆

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