SSブログ

「凶悪」 [映画]

kyouaku.jpg
〔2013年/日本〕


雑誌「明潮24」の記者・藤井(山田孝之)の所に、
死刑囚・須藤純次から手紙が届く。
そこには、
「自分にはまだ他にも余罪がある。
面会して、その事を話したい」と書かれており、
藤井は、刑務所に赴く。


須藤は、
「自分は世間に知られていない3件の殺人を犯している。
そして、それは全て“先生”(リリー・フランキー)と呼ばれる男が首謀者であり、
彼を許せない気持ちから、今回の告発に踏み切った」、と
藤井に強く訴える。


須藤の話に興味を持った藤井は、
上司に止められたにもかかわらず、
独自で調査を始める。


須藤の話す、
殺人現場や、被害者の家族、
そして、“先生”の周辺を当たってゆくうちに、
藤井は、須藤の言っている事は本当だという
確信を強めてゆく。


“先生”とは何者なのか。
藤井は“先生”を告発する事ができるのか・・・。





この映画は、
人を痛めつけたり、
汚いものは苦手という方には、
おすすめしない。
他人を、死ぬまで暴行し続ける場面は壮絶。


犯罪の場面を見たり、考えたりする時、
私が一番嫌い、というか、ゾッとするのは、
笑いながら人を痛めつける人の事。


リリー・フランキー演じる“先生”は、
まさしくそんな男で、
一見、ヘラヘラとして掴みどころがなく、
けれど、人を殺す場面になると、
実に楽しそうにそれをやってのけるという、
不気味な人間。


仲間が、殺そうとしている人間に激しい暴力を加えていると、
「僕にもやらせて、やらせて」とせがんだり、
ある意味、彼はまるで子供。
まだ善悪の判断が曖昧な子供が、
小動物をいたぶっているのと同じ感覚。
子供と違うのは、
そこに金が絡んでいるという事くらい。


そういう意味では、
リリー・フランキーは、
この役に最適かも(笑)。
いや、残忍な部分が、ではなく、
へラっとしたイメージや、
子供の部分を強く残しているっぽく見える所が。


これは実話だそうだ。
この世の中には、
人に知られていない殺人事件なんて
沢山あるんだろうなぁ、と、
これを観ているとつくづくそう感じる。


メインの話と並行して、
他人の知らない、藤井の私生活の、
めっちゃ重い事実も描かれる。
藤井は不器用で、
その事に対して、上手く立ち回る事ができない。
でも、あの問題は、
不器用を言い訳にしては駄目だと思う。
彼の態度や言葉一つで、
妻は救われるのに、それができない。
殺人事件とは別次元で、
それも大きな社会問題。


評価 ★★★☆☆

nice!(19)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 19

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0