SSブログ

「その夜の侍」 [映画]

sonoyorunosamurai.jpg
〔2012年/日本〕


小さな町工場を営む堺雅人は、
5年前、妻・坂井真紀を轢き逃げで亡くした。


以来、彼の精神は不安定で、
笑う事も殆どない。
坂井の兄・新井浩文はそんな彼を心配し、
女性を紹介するなど、
なんとか立ち直らせようとするが、
堺の様子は変わらない。


坂井を轢いて逃げたのは、
チンピラ・山田孝之。
人の命を命とも思わない彼は、
坂井を轢いた瞬間も、
110番通報しようとした綾野剛を恫喝し、
走り去ったのだ。


その後、服役するが、
反省や後悔の気持ちはまるでなく、
日々、暴力三昧の生活をしている。


そんな山田の元に、
「お前を殺して俺も死ぬ。決行まで○日」という内容の、
手紙が毎日届くようになる。
殺人予告のカウントダウンに、
強がる様子を見せていた山田だが、
その日がくると、
じっとしておられず、
思わず外に飛び出し・・・。





観る前は、
私の好きそうな題材だなぁと
期待も大きかったけれど、
ちょっとイメージと違ってたといった感じ。


登場人物全員の気持ちが、
よく伝わってこない。
妻を亡くし、立ち直れない夫というのは分かるけれど、
それにしては、堺雅人が、
坂井真紀を心底愛していたと感じられる場面が一つも無い。
こういった映画は、
夫婦仲が良ければ良いほど、
生きている側の悲しみが伝わりやすいと思うのだけれど、
どうなんだろう。


新井浩文の気持ちもよく分からん。
死んだ妹の夫を心配する気持ちは分かるけど、
彼が現在、女と付き合える精神状態かどうかは、
見ていれば分かるじゃないか。
無理矢理、同僚女性を紹介したりするその様子に、
「なんでそこまでする?」という気持ちが拭えない。
最初は、何か他意があるのかとも思ったけど、
そのような事もなさそうだし。


そのお見合いの席で、堺が、
妻の下着をポケットだから出したりする演出も、
うーん・・・・・・。


一番不可解なのは、
山田孝之をとりまく人間。


同僚の田口トモロヲは、
山田に半殺しにされ、
灯油をかけられ、火を付けられそうになるという
目に遭ったにもかかわらず、
まだヘラヘラと山田と一緒にいる。


途中で出てくる谷村美月などは、
山田に財布を奪われ、
「返してほしかったら、そこのトイレに来い」と言われ、
田口に止められたにも関わらず、
引き寄せられるように行ってしまう。


新井も、
自分の墓まで掘られて、
そこに埋められそうになるんだけど、
それでも山田と関わろうとしたり。


しつこいけど、
ついに山田と対峙した堺もよく分からない。
包丁まで持ち出したってのに。
最後までよく分からない映画。


評価 ★★☆☆☆

nice!(18)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 18

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0