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「ボッカチオ’70」 [映画]

boccaccio '70.jpg
〔1962年/イタリア〕


道徳的で禁欲的なアントニオ博士は、
性に関するものは、
ことごとく排除して暮らしている。


ところがそんな彼のアパート前の広場に、
大きな広告看板が立つ。
そして、そこに描かれたセクシーなグラマー美人・アニタ・エクバーグの
艶然とした微笑みが、
彼が窓を開ける度に、
嫌でも目に入るようになってしまう。


怒った博士は、
その看板を撤去するよう、
様々な方面に働きかけるが、
まるで効果なし。


博士は看板の事ばかり考えるようになり、
しまいには、夢にエクバーグが出てきて・・・。





4人の監督が撮った作品を集めた、
オムニバス映画。


その4人の監督というのが凄い。
フェデリコ・フェリーニ、
ルキノ・ヴィスコンティ、
ヴィットリオ・デ・シーカ、
マリオ・モニチェッリ、と、
イタリア映画の巨匠中の巨匠ばかりで、
名前を聞いただけで、ひれ伏しちゃいそう(笑)。


どの監督の作品も、
男女関係の機微を描いたもので、
イタリアらしいお話ばかり。


上に書いたのは、
フェリーニ監督の、「誘惑」。
これがわたし的に、一番面白いと思った。


広告の看板に、
本気になって怒る中年男。
それがヌードなら分かるけど、
別にどうって事ない、
美女が横たわってるだけの写真。


その看板の下では、
普通に子供たちがサッカーしたりしている。
つまり彼の怒りは、
傍から見ると、とっても滑稽なんだけど、
本人必死。


実はそういうあなたが、
一番性を意識してるんじゃないの?と
からかいたくなるような男が描かれていて可笑しい。


タイトルの「’70」というのは、
この映画が作られた1962年から見て8年後、
つまり近未来を指しているそうだ。


評価 ★★★☆☆

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