SSブログ

「上京ものがたり」 [映画]

jokyomonogatari.jpg
〔2013年/日本〕


美大への進学を機に、
東京で暮らし始めた菜都美(北乃きい)。


最初は希望に胸膨らませていた彼女だが、
現実は厳しい。
バイト代は生活費や家賃に消え、
画材を買う金もなく、
ゴミ箱を漁る始末。


背に腹は代えられないと、
キャバクラでバイトを始め、
なんとか糊口をしのぎ、
さらに、店を辞めたバーテン・良介(池松壮亮)と
同棲するようになる。


店には、若いキャバ嬢に混じって、
一人、年かさの女・吹雪(瀬戸朝香)がいた。
あるきっかけから、
吹雪の娘・沙希(谷花音)に絵を描いてやった菜都美は、
私生活でも吹雪母娘と交流を深めてゆく。


大学の成績はいつも最下位の菜都美だが、
吹雪と沙希に励まされ、
イラストを出版社に持ち込むようになる。


門前払いばかりの売り込みだったが、
カットを使ってくれるという会社が見つかり、
少しずつ前に進む菜都美。
ただ、良介はまるで仕事をする気が無く、ヒモ同然、
そして、吹雪の身にも悲しい出来事が起こるなど、
人生、そう簡単ではないらしい・・・。





西原理恵子さんの漫画の映画化。
西原さんの映画を観たのはこれで4本目だけれど、
なぜか、どれを観ても淋しくてたまらない気持ちになる。
演じている女優さんも、
映画を撮っている監督さんも、
別の人だというのに、
どれもこれも、胸が締め付けられるみたいに、
孤独な感じが心に突き刺さってくる。


西原さんご本人の事はよく存じ上げないし、
漫画も、2冊くらいしか読んだ事がないので、
理由は分からない。
言葉にすると、陳腐でありきたりな憶測しか書けそうにもないので、
それもできない。
原作漫画が図書館にあったので、
すぐにでも読むつもりでいる。


映画は、とても面白かった。
菜都美も、特別変わった女の子とも思わない。
むしろ、金に困ってキャバクラに勤めてしまうあたり、
大人しそうな地味顔で、
意外とチャレンジャーだなぁと思ったりもする(笑)。
なのにこの淋しさ。
八方塞な感じが、そういう気分にさせるのかなぁ。


同棲している良介にしたって、
一緒にいればいるだけ、
金ばかりかかって、
経済的にはマイナスになるばかりなのに、
でも、もし彼が菜都美の人生から消えてしまったら・・・
と想像すると、
菜都美以上に、私の方が泣きたくなる。


彼は金にはだらしがないけれど、
とっても優しくて、
とりあえず、話を聞いてくれる。
毎日一緒にいる相手が
急にいなくなるのは、
浮き輪なしで大海原に放り出されたようで、
息もできなくなりそう。


出版社を何社も何社も回って、
やっとエロ雑誌のカットの仕事をもらった菜都美に、
友達が、
「そんな仕事でいいの?」とか「夢は」とか、
ぐだぐだ言ってたのが、
なんか癇に障って。
それは私が、彼女たちよりずっと年上で、
現実を知ってしまったからなんだろうけどさ(笑)。


年増のホステス役をしていた、
瀬戸朝香さん。
最初にキャバクラに出勤してきたとき、
私は彼女を、てっきり店のママ的な人だと思ったので、
他の女の子たちと同格だと知ってビックリ。
その存在は、店の中でもすんごく浮いていて、
可哀相なくらいだったけど、
でも、懸命に子供を育てている様子がカッコ良かった。


私、もともと瀬戸さんがとっても好き。
あの美人なお顔が好み。
あんな綺麗な奥さんをもらったV6のイノッチを、
私が男だったら、羨ましいと思うと思うわ(笑)。


評価 ★★★★☆

nice!(20)  コメント(0)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

nice! 20

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 2