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「紅の流れ星」 [映画]

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〔1967年/日本〕


どこか憎めないチンピラヤクザ・渡哲也。
敵対する組のボスを射殺した彼は、
東京を出て、
今は神戸で用心棒をしている。


彼を心から慕う舎弟の杉良太郎や、
彼に惚れている情婦・松尾嘉代らと、
気ままに暮らす毎日。
刑事・藤竜也が、彼の周囲をウロウロするが、
別にどうって事もない。


そんなある日、
闇で宝石を取引していた男の行方が分からなくなり、
男の婚約者・浅丘ルリ子が東京からやって来た。
美しい浅丘に一目惚れした渡は、
彼女に気に入られようと、
一緒に男を探す。


同じ頃、渡の命を狙う殺し屋・宍戸錠も、
東京から神戸にやって来て・・・。





石原裕次郎の、「赤い波止場」をいう映画を、
渡哲也でリメイクした作品だそうだ。


私は「赤い波止場」を観たことがないので、
そちらの方は分からないけれど、
それより、
渡の演技や、ラストシーンが、
ジャン・ポール・ベルモントの「勝手にしやがれ」によく似ている。
少し検索してみたら、
やはり「勝手に~」の要素を勝手に(かどうかは知らないけど(笑))
取り入れて作ったらしい。


そのせいでもないだろうけれど、
それほど悪くはない。
渡哲也が、こんなに可愛い顔していたとは知らなかった。
ちょっと好みかも(笑)。
それに、彼がこんなに軽妙で、飄々とした演技はできるとは
ちょっとビックリ。
私が彼を知った時は、もうすでにおじさんという印象だったし、
いつまで経っても、
石原裕次郎の誠実な弟分というイメージしかなかったから。


浅丘ルリ子がとにかく綺麗。
この間観た「絶唱」のような少女期より、
27歳の、大人になった彼女の方が私は好きだな。
変わったデザインのお洋服をきていて、
それがとっても、彼女に似合ってる。


彼女は、藤竜也に、
「婚約者とは男女の関係だった」と答えるけれど、
渡には、「関係はなかった」と言った。
どちらが本当なのか、私には分からなかったし、
なぜ、どちらかに嘘をつく必要があるのかも分からなかったけど、
やっぱり藤竜也に言ったのが本当なのかなぁ、と思ったり。
だって、藤に対しては嘘をつく理由がないものね。


では逆に、なぜ渡には、「関係がない」と言ったのだろう。
彼に惹かれているから、
生娘だと思われたかった・・・から?
27歳なら、生娘のフリをするも必要ないんじゃ・・・というのは今の感覚で、
当時はそんなものだったのかもしれない。


私の以前の上司が神戸出身で、
杉良太郎と中学の同級生だったそうで、
事あるごとにそれを聞かされていたせいか、
杉を観ると、「おっ」と思うようになってしまっている。
で、そういう目で見ているせいかもしれないけれど、
神戸を舞台にしたこの映画で、
彼がとても生き生きしているように感じられた。


チンピラ役の杉良太郎というのも、
私にはとても珍しく見えたし、
なにより、彼の話す言葉に、
「これが本物の神戸弁かぁ」と思ったり(笑)。


評価 ★★★☆☆

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don

25年ぐらい前でしょうか。
杉良は、流し目で大人気でした。

ぼくもまねして流し目しましたが、イマイチでした^^;


by don (2013-08-08 22:25) 

青山実花

donさん
コメントありがとうございます。

杉良太郎さんも、私が知った時は既におじさんでしたが、
流し目が人気だった事は知っています。

いえいえ、流し目が敢えて話題になるくらいですから、
そのような技(?)が出来るのは、
日本中でも、彼だけだったのではないでしょうか(笑)。
変な物がブームになったものですね。



by 青山実花 (2013-08-13 20:59) 

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