「スタンリーのお弁当箱」

〔2011年/インド〕


インドの小学生・スタンリーは、
いつもクラスのみんなを笑わせている、
明るい少年。


ある朝、スタンリーは顔にアザを作って登校してくる。
生徒から大人気の美人で英語のロージー先生から
理由を尋ねられた彼は、
街で喧嘩に巻き込まれたせいだと答える。


その後、お昼休みの度に、スタンリーはなぜか教室からいなくなり、
水道の水を飲んだり、
ぼんやり柵にもたれたりしている。
両親が所用で数日出掛けているので、
お弁当を持ってこられないと言う。


クラスメイトたちは、そんな彼を見かねて、
自分たちのお弁当を少しずつ分けてあげる事にする。
みんなで車座になって食べる、
美味しいお弁当と、楽しいひととき。


一方、教師の中にも自分の弁当を持ってこない者がいた。
国語のヴァルマー先生だ。
彼は、生徒の弁当を、
自分が食べる気満々で狙っているのだが、
スタンリーのせいで、それが叶わない。


ストレスマックスに達した先生は、
「弁当を持ってこない者は、学校に来る資格はない！」と
スタンリーを怒鳴りつける。
傷ついた彼は、翌日から学校に来なくなってしまう。


実はスタンリーがお弁当を持ってこないのには、
重大な理由があったのだ・・・。





歌わない・踊らないインド映画という触れ込みらしい(笑)。
たしかに、登場人物たちは普通に会話して、歌はない。
挿入歌は多いけれど。


見どころは、生徒たちとヴァルマー先生との攻防。
この教師というのが、
理由は分からないけれど、
自分の弁当を持ってこず、
同僚の先生のお弁当を盗み食いするような、
最低のオッサン。


そして、
生徒の中でも金持ちっぽい、
比較的豪華な弁当を持ってきている子に目を付けるんだけど、
その子は、スタンリーにお弁当を分けてやりたい。


だから、仲良しグループ全員で、
ヴァルマー先生に見つからない場所で、お弁当を食べる。
すると、先生、
その場所を探し当てるのに必死(笑)。
大の大人が、
あんなにあからさまに人の（それも生徒の）食べ物を欲しがるって、
あんまり見た事のない光景なだけに、
笑えると同時に、なんだか見ているこちらの方が恥ずかしくて。


先生方や、生徒たちの持ってくる、
お弁当の中身がとっても興味深い。
それなりに豪華な人もいるけれど、
みんな結構質素で、
クラッカーのような物だけ、とか、
ナンのようなものだけ、とか、
そんな人も多い。
栄養のバランスとか、
そんな事は二の次のようだ。
日本は恵まれている。


生徒たちがみんな仲良しで、
ホッとできる。
ヴァルマー先生が嫌な奴で、
その上、生徒同士のいじめがあったりしたら、
観るのが辛くなってしまった事だろう。
先生一人が敵役だから、
この映画をコメディとして、安心して観る事ができる。


ところで。
ラスト近くで、
ロージー先生の新婚の夫というのが出てくるのだけれど、
その方というのがもう、有り得ないくらいのハンサムで！
セリフも何もない、ほんの数秒の出演なんだけど、
「何か喋らせてー」と心底願った(笑)。
こんな女、私だけかと思って、
念の為検索してみたら、
同じように思った方が何人もいらっしゃったようで、
嬉しかった次第。
（気が小さいので、仲間がいないと不安で(笑)）
写真をアップしたいくらいだけれど、
それは探せなくて残念。


※その後、画像を発見しました。






評価　★★★☆☆

コメント 6

めっちゃハンサム！でしたよねー♪
思わず、身を乗り出してしまったくらい^_^;

子どもたちが仲よしで、ほんとうに良かったですね。
みんなで分け合うことが、自然にできていて。
ヴァルマー先生は・・何しに学校に来ていたんだろう（笑）。

予備知識が全然なかったのですが、
そのヴァルマー先生役の方が監督で、スタンリー役の子と
実の親子と後で知って、びっくり。

スタンリーの生き方というか、佇まいには、ちょっと圧倒されました。
がむしゃらに頑張るという感じではなく、反発するわけでもなく、
状況を受け入れているけど、諦めてもいない・・・
淡々と、でもちゃんと前を向いている、というのかしら。
あんなふうに生きていけたら、彼は無敵だなあと思って。
by yonta* (2013-07-26 02:06) 

とっても面白そうですねぇ！！早速借りに行きたいと思います♪
そして・・ハンサムもしっかりチェックしますヽ(*´з｀*)ﾉ　croston★mari★
by CROSTON (2013-07-26 10:16) 

yonta*さん
コメントありがとうございます。

yonta*さん、情報です！
あのハンサムさんのお名前が分かりましたよ。
Vidyut Jammwalさんという、インドの俳優さんのようです。
写真を追加しておきますね。

もしかして、ヴァルマー先生って、
学校にご飯を食べに来ていたとか！？
お弁当を持ってこない理由、何か言ってましたっけ？
先生なんだから、一定の収入はあるでしょうに。
借金でもしているのかしらと思ってしまいましたよ。
変な人でしたね(笑)。

私も、家に帰って調べて、
2人が実の親子だと知りました。
だから、あんな意地悪な事を思いっ切りできたんでしょうかね(笑)。

確かにそうですね。
スタンリーは、自分の運命を完全に受け入れているというか、
とにかく自然で。
それに他人と自分を比べない所もいいですね。
あれがインドの方の気質なのでしょうか。
ガンジス川のように、全てを受け入れて、
流してしまうような・・・。

by 青山実花 (2013-07-26 12:04) 

CROSTONさん
コメントありがとうございます。

こちらの映画は、
現在、都内では「シネスイッチ銀座」で公開されています♪
劇場で観られても良いし、
DVDになってからでも、十分に楽しめると思いますので、
ぜひぜひ、どうぞ。


ハンサムさんの写真をアップしておきますので、
ご覧になってみて下さいね。

by 青山実花 (2013-07-26 12:08) 

わ～、やっぱりハンサムですね～(^^)♪
ありがとうございます。目の保養になりました（笑）。
インドでは有名な俳優さんなのでしょうか。
日本で上映されるインド映画に、
これからたくさん出演してくれるといいですよね。
by yonta* (2013-07-28 11:45) 

yonta*さん
コメントありがとうございます。

何とかお名前が分かり、画像検索ができて、
yonta*さんに喜んでいただけて良かったです＾＾

私もインドでの彼のポジションが気になりました。
なにせ、インドでは、
ラジニカーントが国民的スターだというのですから、
日本人とは「いい男」の定義が違うような気もするし・・・。

>これからたくさん出演してくれるといいですよね。

本当ですね！
そしてできればハリウッドデビューなんかも期待しています(笑)。

by 青山実花 (2013-07-29 15:40)