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「大いなる西部」 [映画]

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〔1958年/アメリカ〕


東部から恋人・パット・テリル(キャロル・ベイカー)に会いにやって来た、
ジェームズ・マッケイ(グレゴリー・ペック)は、
パットの家に向かう途中、
土地の荒くれ者たちから嫌がらせに遭う。


彼らはテリル家と長年の確執を抱える、
ハナシー家の息子たちだった。
両家は放牧牛の水飲み場「ビッグマディ」の権利争いで、
対立しているのだ。


ジェームズはパットと婚約するが、
パットの父・ヘンリー・テリルの考えに違和感を覚えた。
彼は争いを好み、
やられたらやり返すという方法で、
いつも相手を威嚇しているようだった。


父の考えに従うパットにも、
気持ちが冷めたジェームズは、
婚約を解消し、
「ビッグマディ」を買い取ろうと思い立つ。


「ビックマディ」の持ち主は、
地元の女性教師・ジュリー(ジーン・シモンズ)で、
彼女は両家の争いに、ほとほと嫌気が差していた。
どちらの家にも平等に水を与えると言う
ジェームズの考えに賛同したジュリーは、
彼に「ビッグマディ」を売る事を決める。


しかし、それを知ったハナシー家は、
ジェームズをテリル家側の人間だ思い、
水が完全にテリル家のものになると勘違いしてしまう。
ハナシー家の長男は、
ジュリーを誘拐し・・・。





大変に見応えのある西部劇。


善人だけの人間も、
悪人だけの人間もおらず、
勧善懲悪でもない。


そして、完全なる味方もいないけれど、
完全なる敵もいないという事を教えてくれる。
ハナシー家の主人だって、
最初は敵だと思っていたのが、
大変に男気のある人物というのが、
だんだん分かって来る。


グレゴリー・ペックが紳士で、
決して力で相手を捻じ伏せようとしない男を、
カッコよく演じている。
カッコよすぎて、
胡散臭いという感想を持つ方もいるようだが(笑)。


彼のような中立の人間がいなければ、
水飲み場問題は解決しないわけだから、
このキャラは絶対必要だろう。
簡単に買収されたり、
どちらかに極端に肩入れするような人間だったら、
この話は成立しない。


パットに惚れていて、
ジェームズに敵意を剥き出しにする牧童主を、
チャールトン・ヘストンが演じている。


グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンって、
同じ映画に出る年代なんだと、ちょっと意外だった。
なんとなく、ペックの方がずっと年上のような
イメージがあったから。


ヘストンから売られた喧嘩も、
ペックは決して買おうとはしない。
2人が初めて対決したのは、
誰も見ていない平原。
ペックなどすぐに倒せると思っていたヘストンは、
彼の強さに驚く。


そしてヘストンは変わってゆく。
力で争うだけが能ではないと悟ったみたいだった。
そんな所も、
ただ単純に争うだけの西部劇とは違う、
良い場面。


監督は、「ローマの休日」の、
ウィリアム・ワイラー。


評価 ★★★★☆

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