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「鴛鴦歌合戦」 [映画]

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〔1939年/日本〕


傘張りをして生計を立てている、
長屋住まいの娘・お春(市川春代)。
父・志村狂斎(志村喬)は穏やかな好人物だが、
骨董品に目がなく、
お春の稼ぎは全て、骨董品収集に使ってしまう為、
日々の食べ物にも事欠く生活。


お春の家の隣に住む浅井禮三郎(片岡千恵蔵)は、
身軽な浪人。
彼はお春と好き合っているが、
豪商の娘・おとみ(服部富子)に言い寄られたり、
幼馴染の藤尾(深水藤子)からは、許嫁だと言われたり、
モテモテであり、
お春はいつもヤキモキしている。


ある日、例によって、狂斎が骨董品屋で
古物を吟味していると、
これまた骨董品狂いの殿様・峯澤丹波守(ディック・ミネ)が
店に入ってきた。


狂斎は1点の掛け軸に目を付けたが、
金が無い。
すると殿様がそれを買ってくれると言うではないか。


大喜びの狂斎だったが、
狂斎を迎えに来たお春を一目見た殿様は、
彼女に一目惚れ、
お側仕えになれと言ってくる。


禮三郎との結婚を夢見るお春は、
断固拒否。
彼らの運命はどうなるのか・・・。





とにかく楽しくて、心明るくなる、
オペレッタ時代劇。
日本初のオペレッタ映画と言われているそうだ。


昭和14年に、
このような映画が作られていた事に驚く。
ものすごくモダンで、
今観ても、新しい感じがする。
登場人物たちが、みんな突然歌い出すんだけど、
その歌も歌詞も、すんごく可笑しくて、コミカルだ。
ミュージカル嫌いの方も多いようだけれど、
これは絶対楽しめる。


志村喬もコミカルに歌う(笑)。
彼の歌は、黒澤明監督の「生きる」でも聞いたけれど、
こちらはとにかく能天気。
娘を愛しながらも、
つい骨董品を買ってしまう父という役が、
見事にハマっている。


登場人物がみんないい人で、
すんごくお気楽(笑)。
お春を所望する殿様だって、
別に暴君ではなく、
どこかとぼけた風情。
狂斎同様、
骨董品を見る目がどこまで確かなのか、
まったく怪しい(笑)。


禮三郎の取り合いをする、
3人の娘たちの争いも可愛い。
片岡千恵蔵って、
若い頃、とってもハンサムだったのね。
娘たちが夢中になるのも分かるわ(笑)。


ラスト、お春がした衝動的な行動は、
若い娘らしい選択だ。
私だったら、ああはしないかもしれないな(笑)。


評価 ★★★★★

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さつき

こちらでお勧めの映画をメモするばかりで、なかなか映画を見る機会が無かったのですが、昨日友達が「我ら生涯の最良の年」というDVDを貸してくれました。(中古品が105円で売っていたそうです)
やはり登場人物がみんないい人ばかりで、ラストでは不覚にも涙がツウーっと流れちまった。年のせいでしょうか?(笑)
by さつき (2013-07-19 00:57) 

青山実花

さつきさん
コメントありがとうございます。

「我ら生涯の最良の年」は、
大変に評価が高い、名作のようですね。
アカデミー賞を8部門も受賞したとか。
私は未見なんです。
さつきさんと感動の共有ができなくて残念です。
今度、観てみますね。

>年のせいでしょうか?(笑)

いえいえ、きっと映画の素晴らしさが、
さつきさんの心の琴線に触れたのだと思います。
本当にいい映画なのでしょうね♪

by 青山実花 (2013-07-20 19:34) 

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