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「今度は愛妻家」 [映画]

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〔2010年/日本〕


豊川悦司は、かつては人気カメラマンだったが、
今は仕事への意欲を無くし、
1年ほど写真を撮っていない。
そして、妻・薬師丸ひろ子は、
そんな彼を心配し、
なにくれとなく世話を焼く。


薬師丸が箱根に旅行に行く日、
豊川に電話が入った。
女優志望の水川あさみからで、
今から、自宅に遊びに来ると言う。
早く薬師丸を家から出したい彼は焦るが、
薬師丸は彼の態度が変だと言い出す。


なんとか薬師丸を送り出し、
水川といいムードになるが、
そこへ、弟子の濱田岳がやって来る。
その後、水川は濱田と出来上がってしまう。


薬師丸が旅行に出て、
2週間が経ったのち、やっと帰ってくる。
普段は彼女を邪険に扱っている豊川だったが、
実は心配でたまらず、
彼女の帰宅に胸を撫で下ろす。
薬師丸は、無くした結婚指輪を探しに、
沖縄に行っていたと言う・・・。





かなり評価が高いので、
気になっていたのだけれど、
その理由が分かった。
観ているうちに、どんどん引き込まれて、
最後の方は、正座して、身を乗り出して、
セリフを聞き入ってしまう。


さらに、終わった後、
もう一度最初から観てみた。
すると、軽く聞き流していた、
どうって事のないセリフが、
実は大変な意味を持っていたのだと気付く。


これって、舞台劇なのだろうか。
場面は豊川夫婦の家の中が殆どで、
あとは、ちょっとだけ近所と、
夫婦が行った沖縄旅行の場面だけ。
舞台より映画派の私だけれど、
これは舞台でも観てみたいと思う。


豊川悦司と薬師丸ひろ子のやり取りが絶妙。
豊川は、自由業らしく、
頭を金髪にしたちゃらんぽらん野郎で、
逆に薬師丸は、元教師という事で、おばさんっぽい。
豊川は何をするにもかったるそうで、
薬師丸だけが一所懸命。
たとえば、沖縄で牛の糞を踏んだ豊川のビーサンを、
海で洗う薬師丸の様子などは、
私の少ない語彙では表現できないような、心の「何か」を感じる。
ナリはおばさんだけど、めちゃくちゃいい女だと思う。


薬師丸が、普通の話し言葉でセリフを言っているのもいい。
映画によっては、
夫婦なのに敬語で話す作品もあるけれど、
この映画は、とっても自然で好感が持てる。


豊川の知り合いだというオカマを、
石橋蓮司が演じているのだけれど、
これがまた、素晴らしくて。
水川あさみとは喧嘩ばかりするのだけれど、
実は彼女の良さもちゃんと認めてくれる。
女のお爺さんって感じ(笑)。


これを観ると、
相手が男女に限らず、
周囲の人全てを大切にしなくちゃあかんと、
本気で思う。
おそらく、観た方の殆どが、
そう思う気がする。


評価 ★★★★☆

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さつき

女のお爺さん・・笑いました。♪
by さつき (2013-06-16 14:06) 

青山実花

さつきさん
コメントありがとうございます。

「女のお爺さん」と書きましたが、
「男のお婆さん」でも良かったかなと、ちょっと思いました。
まぁ、どちらも同じようなものですが(笑)。
by 青山実花 (2013-06-17 23:11) 

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