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「ドクトル・ジバゴ」 [映画]

doctorzhivago.jpg
〔1965年/アメリカ〕


19世紀末のロシア。
幼い頃両親を亡くしたジバゴ(オマー・シャリフ)は、
科学者グロメーコに引き取られ、
グレメーコの娘・トーニャと愛し合うようになる。
ジバゴは医学の勉強を重ねながら、
詩作の方でも有名になりつつある、才能のある青年だった。


一方、近所に住む仕立て屋の娘で17歳のラーラ(ジュリー・クリスティ)は、
中年弁護士・コマロフスキーの慰み者になっていたが、
コマロフスキーの横暴な性格と、
自分の立場に悩み、苦しんでいた。


クリスマスパーティの夜、
ジバゴとトーニャの婚約発表が行われる瞬間、
銃声が響く。
ラーラが、ついにコマロフスキーを拳銃で撃ったのだ。
幸い弾は逸れ、コマロフスキーはラーラを訴える事はしなかった。
ラーラはそのまま、革命家パーシャに連れて行かれ、
その後、2人は結婚する。


第一次世界大戦が始まり
従軍医師として戦場に出向いたジバゴは、
見覚えのある看護婦に出会う。
彼女こそ、自分の婚約パーティの晩、
発砲したラーラではないか。


一緒に働くうちに、2人は惹かれ合うようになるが、
しかし、互いに配偶者がいる身。
ここは綺麗に別れようと、
なんとか一線は越えずに、互いの家に戻る。


しかし、トーニャと子供が待つモスクワは、
革命軍が采配を振るっており、
もはや安住の地ではなかった。
田舎に引っ越したジバゴと家族だったが、
彼は、同じ田舎にラーラが住んでいる事を知る・・・。





「アラビアのロレンス」のデビッド・リーン監督の、
3時間を超える大作。
けれど、私にはそれほどピンとは来なかったな。


タイトルに「ドクトル」と付いているので、
ジバゴ先生が、医者として大変な活躍をする映画なのかと
勝手に思っていたけれど、
そのような場面は殆どなく終わった(笑)。
何のことはない、2人の女の間を行ったり来たりする、
不倫医師の物語だった。
(ジャンルも、「恋愛」となっていた)


映画だから、別に不倫はかまわない。
「この2人の、この状況なら、愛し合っても当然よね」と思えれば、
感情移入する事もできる。
でも、ジバゴ先生とラーラが、
なぜ惹かれ合うようになったのかが、よく分からない。
身を焦がすような、愛の感情が伝わってこない。
先生は、とりあえず目の前にいる女に惹かれてしまう、
そんな印象さえ受ける。


そして都合がいい事に、
トーニャもラーラも、
女の事で先生を責めるような事は一度もない。
私は先生より、この女性たちの方がずっと好き。
特にトーニャは、感情を露わにしない、
賢い女性だ。


それから、あの広大なロシアの地で、
人物たちが、あまりにも偶然に会いすぎじゃない?
先生は、ラーラだけでなく、
パーシャとも偶然会ったりしている。
大作の割に、
登場人物は意外に少ない。


・・・と、なんだか色々エラソーに書いたけれど、
原作は、ノーベル賞受賞予定作だったそうだ。
(ロシア政府が受賞を強制的に辞退させたそう)
(ロシアでこの小説が出版されたのは1987年だそうで、ビックリ)
重厚な物語は、
きっと3時間では納まり切らなかったに違いない。


ロシアの雰囲気は、とてもよく伝わってきた。
“酷寒”という言葉がピッタリの、その風景。
例えば、走っている最中の列車の木の扉を開けると、
そこにあるのは、氷の壁。
トンネル?と思ったら、
列車そのものが凍っていて、
その氷を割ると、向こうに景色が広がってるって、
全てがそんな感じ。


長い間、空き家にしていた家の中も凄い。
家具から階段から、
全てが厚い氷で覆われていて、
すぐには人が住めないような有様。
ロシアの冬って、やっぱり凄いんだと痛感。


評価 ★★★☆☆

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